手ぬぐいの相場

今は100均で購入して、数年間使い倒して薄くなりすぎたら捨てる。江戸時代の手ぬぐいはどれくらいの相場だったのか

先日、noteで手拭いをローテーションして使っていると書きました。

100円ショップで買った1枚100円の手拭いを、毎日使い続けて生地が薄くなって破れ始めたら終わりですが、数年間使い倒していることを考えると安上がりだと思います。

さて、手拭いが社会に一気に普及したのは江戸時代だったそうです。社会が安定化して貨幣経済が浸透し、綿花のような商品作物の栽培が盛んになって、木綿の着物が増え、その着物の切れ端を手拭いに再利用していた戸のことですが、当時の手拭いはいくらだったのでしょうか?

こちらのサイトによると、3尺(約1メートル)の手拭いが117文(1文を16.5円として1,931円)となりまして、現代日本人の感覚としてはまあまあのお値段です。

ただ、30年デフレと低成長が続いた日本の感覚でみるからおかしいのであって、ちゃんとしたというとおかしいですが、それなりのお店の手拭い、お土産・プレゼントになる手拭いとしたら、1枚2,000円程度するでしょう。

そもそも江戸時代自体が250年以上続いていて、その期間中の物価変動も考えると、上下の振れ幅もあるはずです。

ちなみに、もっと確実なソースを探しましたが、国立歴史民俗博物館のデータベースで、
「古代・中世都市生活史(物価)データベース」
という何やら面白そうなものがありました。

古代・中世と書かれている通り、近世にあたる江戸時代より前の時代の物価となりますが、そこで「手拭」で検索するとこんなデータが出てきました。

13文から113文まで幅広すぎますが、113文と書かれた手拭布は六尺五寸なので裁つ前ですね。13文~70文が相場となりますが、ではこの頃の山城国での1文は、今の日本でいくらにあたるでしょうか?

とりあえず、米の価格で比較してみましょう。

15世紀前半の山城国での米の価格を同じデータベースで探ってみると、一番上のデータでは、米125升で銭1,000文とあります。

1升で1.5kgですので、187.5kgが1,000文となり、現代日本のスーパーで安めの米が10kgで3,000円くらいでしょうか。

そこから計算すると1文で56.25円ということになります。

手拭いの価格を計算すると、731円~3,937円となりまして、平均を取ると、江戸時代の2,000円という金額あたりに落ち着いてきます。

綿花栽培も工業化も貨幣経済も丸っきり異なる時代を無理矢理比較してもしょうがないのですが。やっぱり、現代日本の100円ショップが安すぎるのですよね。

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