自公連立解消の可能性が出始めたか?

自民党が次期衆院選での選挙区調整において、東京での選挙協力を行わないことを公明党に通告して、波紋を呼んでいます。

直近のニュースでは埼玉や愛知では公明候補を支援するとのことですので、全国的に自公の選挙協力がなくなるわけではないようですが、それはそれで地元が反発していて、先行きの不透明感が増しています。

岸田首相が握っている解散カードは、バカ息子の狼藉によって使えなくなった感じがします。今解散したらあの件での自民批判が一斉に起きるでしょうから。

とはいえ、任期満了まで何事も無いということも無さそうです。参院選との同日選挙なら2025年夏前に、自民党総裁選の前後にやるとしたら来年の解散ということになります。

自民党と公明党の蜜月は、小渕内閣時代の1999年、当時の自由党も含めた自自公政権からもう四半世紀近く続いています。

しかし、安保関連法案の時には支持母体の創価学会から公明党批判も起きたくらいですし、自民党べったりに不満を持つ学会員もいます。

逆に、自民党支持層にしてみても、先日の安倍元首相暗殺事件によって宗教団体・宗教二世の問題が沸き起こった余勢を駆って、創価学会への反発も内部にはあります。

どちらも連立支持論者と連立破棄論者がいるはずで、それでも連立が続いてきたのは利益・メリットがあったからです。

連立のメリットは単に議席数を確保して政権を維持することでありますが、議席数を増やせるのは、「お互いに支持層が異なるため、協力することで票数を増やせる」からです。

と言うことは、逆に考えると、支持層が重なっていたら連立のメリットは無いということになります。

自民党の元々の支持層である地方・農業関係者は、自民党支持層の中のパーセンテージは右肩下がりです。

この20年で、もともと支持率の高かった「自前層」である農業と自営業層の支持率は低下し続け、支持率の下がっていた専門職や中小大ホワイト、大ブルーといった職業で支持率を取り戻す傾向がみられる。

米田 幸弘 自民党支持層の趨勢的変化

単純に農業従事者が減って地方の人口も減っていることが一番の原因でしょうけれど、支持層的に「特色の無い政党」になりつつあります。

その一方で公明党は、支持層のほとんどが創価学会員であるのが対照的です。戦後、都市部で共済活動的に学会員を増やしていましたし、都市部の零細商工業者の支持層は共産党とガッツリ重なっていたため、同じ野党だった時代でも共産党とは仇敵のように戦っていました。しかし今ではその世代から二世三世の時代に入っています。

お互いに、元々の特徴的な支持層が薄れてくれば、連立のメリットは無くなり、競争相手に転じます。

第一、自民党の反公明党派は、宗教規制に乗り気でしょうし、逆に公明党にしてみれば自らの首を絞める政策に賛成するわけにもいきません。

いずれは自公連立も解消されるでしょうけれど、切るとしたら自民党側のほうでしょうね。第二次安倍政権発足以降、ずっと国政選挙で勝ち続けているわけで、
「公明党との連立が無くても問題ない」
と考える人が増えてもおかしくありません。

また、安保関連で掣肘されることに嫌気を指す保守派もいるでしょうし、どこかで自民党が三行半を突きつけることになると思います。

公明党側は党の歴史の4割超を連立政権として過ごしてきましたし、政権側にいることで宗教団体運営上の利益も享受してきましたから、手放しがたいことでしょうから、どこまで公明党が自民党に譲歩出来るか次第です。

とは言っても、譲歩しすぎたら創価学会から怒られるわけで、限界が来たらやむを得ず離れるでしょうね。

その時には維新の会との自維連立になりますかね。立憲民主党の弱さを考えると、そう遠くはない時期に起こりそうです。

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