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セキュリティ・サポート切れのデバイスを減らしましょう

パソコンにしろスマホにしろ、インターネットに全く接続しない使い方は、今では相当にイレギュラーになりました。ネットにつながっているのが当たり前で、毎日毎時間大量のデータを送受信しています。そうしますと、好ましからざる不正アクセスやらコンピュータウイルスやらの脅威に誰でもさらされます。

そのためにセキュリティ対策が存在していますが、ITリテラシーがあまり無い人にセキュリティの大切さを教えるのは骨が折れます。ネット常時接続が当然では無かった時代のデバイスやOSならともかく、今のネットネイティブなスマホやパソコンなら、ユーザーがセキュリティのことをあまり意識しなくても安全であってほしいものです。

MicrosoftはWindows7のリリースとほぼ同時に、無償のアンチウイルスソフトをリリースしていました。

ただ、これもたくさんある一般的なアンチウイルスソフト・セキュリティソフトと同様に別途インストールが必要ですので、知らない人は知らないままでした。Windows8以降になってようやく、WindowsDefenderとして標準で搭載されることになりました。ただ、PCメーカーの大半がサードパーティ製のセキュリティソフトをプリインストールして、しかもそれが3ヶ月や1年で期限切れになるので、期限切れ後にも放置しているためにWindowsDefenderも機能しないという最悪の状態を招く場合もありました。

スマホではiPhoneでもAndroidでもPCほど勝手に乗っ取られる可能性は無いと言われていますが、怪しいアプリを入れて権限を与えてしまうと丸裸になってしまいます。自分で気を付ける人はパソコンでもスマホでも大丈夫ですけれど、OS自体のセキュリティサポートが終わったら、それ以降は使うのは危険です。

未だにWindowsXPでネット接続する人だっています。iPhoneやAndroidでも非常に古いバージョンでネットを利用する人もいます。古い機種を新しいOSでサポートするのは難しいのでしょうけれど、OSメーカーの想定を超えてユーザーは長持ちさせてしまうものです。

スマホではiPhone・Androidの二大巨頭にサポートでは差があります。iOSでは今年出たバージョン15にアップグレードできるのは、iPhone6s/6s Plus/SE(第1世代)まで可能です。2015年に出たiPhoneが少なくとも来年夏までは最新OSで使用出来るのです。また、つい最近ではiOS12に対してセキュリティアップデートが配信されています。iPhone5Sまでは少なくともApple側のセキュリティ対策はされています。

一方、Androidではそこまで長く最新OSにアップグレード出来るものはありません。というか、バージョンアップ出来ないAndroid端末が大量にあります。1つバージョンアップ出来るものはそれなりにありますが、確実にバージョンアップが2回、3回出来ると保証されるものとなるとGoogle謹製のPixelシリーズくらいではないでしょうか? Androidに比べてiPhoneは将来的にも安心できます。

逆にパソコンではAppleがMacの旧機種のサポートを容赦なく切っていくイメージがあります。同じ時期に発売されたものでも性能が高い方はサポートが長続きしがちです。以前所有していた、MacBook12インチ(2015Early)は数ヶ月前にサポート切れになりました。

MicrosoftのWindowsはMacとは異なり、OSもパソコンも長持ちします。操作が重くなりすぎてもはや使えないだろう、というパソコンにも最新OSをインストールすることも結構出来ました。Windows11はインストール出来るパソコンを制限するみたいですが。

パソコンの第3勢力とも言えるChromebookでは、実はGoogleのサポート期限は機種によってまちまちです。

このページを見れば、対象のChromebookがいつまでサポートされているのか分かりますが、逆に言うとここを見なければ後はメーカー側の善意で公表されているかどうかになります。

結局のところ、スマホもパソコンもそのデバイスのセキュリティに気を遣わないといけないのはユーザーです。最初の話に戻りますが、IT関係に疎い人にこのややこしさを正確に伝えて、アップグレードしたり買い替えたりさせるのはかなり大変です。

危険性を例えて説明するなら、車検が切れた自動車に乗り続けるようなものだ、というべきでしょうか? しかしWindowsXPでネットにアクセスするのは別に法律違反ではありません。シートベルトを付けずに運転するようなものだ、という例えも同様です。あえて自動車に例えるなら、サイドミラーを見ずに運転するようなもので、怪しいサイトやアプリを利用するのは赤信号で突っ込むようなもの、といったあたりに落ち着くでしょうか。大丈夫なときもあれば大変な事故を起こすこともあります。

結局のところは、セキュリティに注意することを利用者に業界や政府や自治体が呼びかけていくしかないでしょう。道交法や車検のような法制化なんて出来るはずもありません。

また、車検や整備をキチンとしていれば、30年前だろうが40年前の車だろうが合法的かつ快適に運転することは可能です。しかしメーカーやOS提供元のサポートが切れたITデバイスでは、ユーザーレベルではどう頑張っても無理です。

スペックが低すぎてどうしようもないのならともかく、ある程度の年数は最新OSにアップグレードさせるような法令があった方が良いのではないでしょうか。それで一番困るのは携帯キャリア各社のAndroid端末だと思いますが、総務省との接た、もとい交渉で切り抜けるのではなく、もうちょっと長く最新OSで使える端末がもっと増やす方向に努力してほしいものですね。

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