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人類の発展の理由が衰退の原因にもなる

成功した理由が失敗の原因にもなるというのは、企業の成長にも国家の盛衰にも適用しやすい真理です。

企業で言えば儲かった商品やジャンルに固執しすぎてしまい、新製品や新ジャンルの開拓を出来ずに元の商品が売れなくなったら会社自体が傾いたとかはよくある話です。

国家でも、戦争に強く領土を広げすぎたが故に、中央からの統制が効かず分裂してしまうとか、軍隊が力を持ちすぎて政府が要求に応じられなくなったために国家が崩壊するとか、歴史的にはいくつも存在します。

個人レベルでも集団レベルでも似た事例はいくらでも語れるでしょうけれど、もっと大きな「人類」レベルでも同じではないかと思います。

人類の進化、特に文明が成立するあたりでは人口がそれなりに密集と増加していることが必要でした。

農業革命が起きて多くの人数を養えるようになり、それと同時に人口が増えたから農業における生産性が向上したとも言えます。それによって人口が増え、社会が出来て、さらに時間が経つと分業が成立します。初めのうちは平等であっても、次第に格差が広がり身分の上下が出来上がります。

人口が集中して増加し、分業化が容易になることで文明が生まれ、国家が生まれ、人類が発展してきました。

しかし、その人口の増加によって食糧危機もチラついてきました。さらに大半の国で貧富の格差が増大しすぎて不安定化し、また国家間の格差も広がっています。工業化があらゆる国で進んだことで、環境破壊も歯止めがかかりません。

いわば人類が発展した理由が、人類が今後危機に陥る原因にもなりつつあります。

さて、企業も国家も成功し続けるものがあれば失敗して衰退や消滅したものもありますが、地球上の人類はどうなるでしょうか。

地球上で養える人口にはもしかしたらまだやりようによっては余裕があるのかも知れませんが、増え続けたらどこかで限界が来ます。人口が多すぎることが問題であれば、人口が減るか地球以外に進出するかの二択です。

人口が減るとしたら今の日本のような自然減か、戦争・災害・伝染病などはっきりした原因のある減少かどちらかです。どちらにしても明るい未来とは言えません。

その前に宇宙に飛び出して資源を獲得するか、移住先を見つければまだ人類は長生きできます。宇宙における惑星間飛行はなんとか見えるところに技術がありそうですが、他の恒星系への飛行となると素人には想像が付きません。もはやSFと大差ない願望のようになってしまいますが、人口が増え続けるなら他に選択肢はありません。

今いる人間が寿命を迎える頃まではまだ地球上に存在し続けられると思いますが、地球のみの人類はいつまで続くでしょうか?

あっさり、人口減に転じて地球だけで存在し続ける未来の方がまだ無理がないかも知れません。

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