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権利侵害動画に対する緩い対応と理由に関する想像

新型コロナウイルスで志村けんが亡くなった後、YouTubeには志村けん・ドリフターズ・バカ殿などの動画が大量にアップされ、また再生回数も急増しているようです。ただ、当然ながら演者や番組関係者、テレビ局などの許可を得たものではなく、いわば違法アップロード動画ということになります。

法律や他人の権利侵害を肯定するつもりはありませんが、YouTubeにはたくさんの過去のテレビ番組がアップロードされています。テレビ局などの権利所有者が違反を指摘すれば動画は消されるのでしょうけれど、アップされた動画がコピーされてさらに他の人がアップしていくので、全てを消していくのは管理する運営側でも大変でしょう。

アップロードした人がそういう過去のテレビ番組の動画をアップする理由としては、もちろん再生に連動する広告再生によって利益を得るためですが、その番組の動画を見たいと思う人がいなければ成り立たないスキームです。

逆に言うと、それだけの需要が本来は存在しているわけです。最近の番組や有料のチャンネルや配信での番組をYouTubeで無料で見られるようにしている人は間違いなく悪質ですが、もう録画を残している人もほぼいなさそうなくらい古い番組の場合、それは本当に権利を侵害しているのだろうか、とも思えます。

正確には違法コンテンツであっても、何十年も前の番組の権利主張は正しいのか? と言う疑問は、法解釈の問題なのかも知れません。確実に需要が存在している部分を、既存メディアが取りこぼしているとも言えます。

だからと言って、現時点で過去のテレビ番組をテレビ局側が自由に見てもらうことができるように公的に何かをすることはないでしょう。それを見ている間、今のテレビ番組は見てもらえないので自局やテレビ局全体の競合相手を増やすようなものですし、しかも強敵であることは自分たちがよく分かっているでしょう。出演者の許可を得るのも大変です。生きているのであれば説得のしようもあるでしょうけれど、亡くなっている場合は遺族・相続人の許可も必要なはずです。

結局のところ、YouTubeなどでの過去の番組のアップロードは、露骨に何か問題が起きるようなものでない限り(DVDなどになっているものをそのままアップとか)、テレビ局側もある程度は削除要請しつつも全てをチェックして厳しい対応を取るところまではいかないのではないかと思います。それは面倒ということもあるし、潜在的需要があるということも納得しているでしょうし、なによりテレビ関係者も見たいんじゃないですかね。特に今は、昔の志村けんを見たい人はそれこそテレビ関係者・芸能界にたくさんいると思います。

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