VARによってサッカーはつまらなくなったのか?

先日開幕したJリーグでも、その前のイングランドプレミアリーグでも、VARがあったのに誤審があって物議を醸しました。

不利を被った側にしてみたら、
「VARがあっても意味ないじゃないか!」
と怒りたくもなるでしょうけれど、じゃあVARを無くした方が良いかというと、多分まだ無くせないでしょう。ジャッジの正確さをもたらす手段としては有効であり、無くしたことによる誤審の増加が容易に想像できます。

このVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)をサッカーに導入するにあたり、反対意見もたくさんありました。

私自身は賛成派であり、サッカー選手の身体能力・ボール反発力・技術の向上度合いに比べて、審判がジャッジするのに必要な視力・動体視力が向上するわけではないので、機械・テクノロジーの手助けを得るのは当然だと思っています。

とはいえ、反対意見そのものを封殺するつもりもありません。人間のやることだから人間だけでさばくべきだという人もいますし、ビデオ判定をしているとプレーが途切れすぎて面白くなくなるという意見も言わんとすることは分かります。

ただ、サッカーがサッカーでなくなるような意見については、ちょっとそれはどうかなと思っていました。

ルールの変更、制度の変更は時代によって変わるのは当然です。ずっと変わらないものはそもそも利用者がいないものです。歴史的遺物です。

VARによってもちろん変わったところはあります。昨年のワールドカップでは、VARでの判定にかかった時間を厳格にアディショナルタイムとしてカウントした結果、とんでもない長さのアディショナルタイムが毎試合のように発生していました。

とはいえ、それじゃあ丸っきり別のスポーツになったのか、もはや前のサッカーの考え方、練習法、戦術、フォーメーションが通用しないのかというと、そんなわけもありません。

100年前のサッカーのルールや習慣から、一気に突然、2023年現在のものになれば、全く別のスポーツだと感じるかも知れませんが、1年前、5年前のサッカーと今日のサッカーを比べたらそんなに変わりがあるはずもありません。

徐々に、テクノロジーによって困難を克服することで、紆余曲折、浮き沈みがあろうとも少しずつ良くなっていくのであれば、新しいルールは採用していくべきでしょう。

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