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空気と恥によるマスク

いよいよ、外ではマスクを着けなくても良いという雰囲気がかなり広がってきました。それでもまだマスクを着けて歩いたり自転車に乗ったりしている人はたくさん見かけます。

私自身は屋外ではマスクを外して歩いていますが、微妙なのがアーケードの商店街でしょうか。屋外ではあるけれど、アーケードと商店が林立していることで空気の流れ具合は、完全な屋外ほどではありません。

あと、電車の中、駅の中ではマスクを着けますが、駅を出た瞬間にマスクを外して、そして1分2分歩いてまた店やビルに入ったらマスクを着用する、というのは結構面倒ですので、そういう時には着けっぱなしにします。さすがに2年半もマスクを着けていると慣れますし。

「未だに日本人はマスクを着けているコロナ脳だ!」
と非難する人はいますが、感染が収まりつつある今、外ではマスクをしなくてもいいのは確かですが、別に着けていても良いでしょうに、なんで過剰に反応するのでしょうかね。マスクを他人に強要された2年間が苦痛だったから、ここぞとばかりに恨みを晴らそうとしているのでしょうか。

赤の他人がマスクを着けていても別にええやんと思うのですが、そういう人にとっては違うのでしょうね。

第一、花粉症のため、あるいは冬場に喉の乾燥を防ぐためにマスクを着けている人は、コロナ禍以前にも日本では結構いました。過半数とは言わないまでも、マスクをしていても違和感の無かった社会のはずですが、欧米ではマスクを外していることがそんなに気になるのでしょうかね。

新型コロナ関係なしにマスクをするメリットもあります。前述の通り花粉症対策はもちろん、冷たく乾燥した空気によって喉や扁桃腺をやられることも防げます。この2年マスク生活をしていてぼんやり気が付きましたが、明らかに鼻水や咳・クシャミによる体調不良になることが減りました。というか2年間に渡り風邪っぽい時がありません。

おそらく、マスクをしていない頃はそれなりに外で風邪のウイルスを拾ってきて、疲れて免疫力が落ちているときに風邪っぽい症状が出てきていたのでしょう。

マスクをするメリットがデメリットを上回っているなら、マスクを外さないという判断をするのは合理的です。デメリットが体調不良だけではなくて、周りから変に思われるとか、みっともないとかいった、感情に訴えるところまで至れば、マスクを外す人は増えていき、コロナ禍以前のマスク着用率に戻るでしょう。

かつて、ルース・ベネディクトが「菊と刀」において日本は「恥の文化」として喝破し、山本七平が日本人の行動様式を「空気」によると指摘したように、日本人が何かを行う際の根拠と理由に「空気」と「恥」は大きな影響を与えます。

マスク着用・非着用についても同様で、これまでも、そしてこれからも、日本人は恥と空気で判断して行動するのではないでしょうか。

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