「情報を食う」ことの良し悪し

昔、「伯方の塩」という商品が実は輸入した塩が原料ということを知ってビックリしましたが、別に消費者を欺こうとしているわけではなく、法律上の規制や伝統を残すためであるので、それはそれで良いことなんでしょうね。

その他、全国各地にある和菓子の名産品の大半は、小麦粉と砂糖が主な材料ですが、小麦粉も砂糖も大半は輸入品です。もちろん国産原料にこだわっているお菓子もたくさんありますが、パッケージに入ってターミナル駅で大量に売られているような商品全てに国産小麦粉・国産砂糖を供給できないでしょう。

ただ、それでもみんなお土産として買いますし、もらう方も喜んで食べます。

その他、例えば仙台名物の牛タンなんてそれこそ輸入品が当たり前です。

名産品・特産品だからと言って、必ずしもその地で作られたもの、由来があるものとは限らず、それは消費者にとってはどうでもいいことで、美味しければ正義なのです。


長くネットミーム化している漫画のキャラクターとして、「ラーメンハゲ」と呼ばれる存在がいます。

詳しいことはこちらで。

「(ラーメンオタクは)情報を食ってるんだ!」
というセリフはなかなかにパンチが効いていますが、別にラーメンオタクに限ったことではないでしょう。人は、アレコレ情報を得てから食べたものを美味しいと錯覚することが多々あります。

こんなこともありました。もちろんちゃんとした人はちゃんとした評価を下せるのでしょうが、世の中の人が思っているほどには、そういう「ちゃんとした人」っていないのかも知れません。

だいたい、美味しいか不味いかというのは非常に主観的な感覚であり、味に馴染みがなければ、他の人が美味しいと思っていても不味いと感じてしまいます。それ以外にも、天然物が養殖物より旨いとか、有機栽培の方が味が濃いとか、なんだかんだ理由を付けて「自分の好きな味」を擁護します。

情報に騙されている、といえば聞こえが悪いですが、情報のおかげでより美味しく感じる、ということであれば別に良いんじゃないかと思います。

その一方、味の素について健康に悪いと長く主張する人たちもいます。味の素を使った料理が不味いのなら文句言って良いと思いますが、サトウキビを原料にした味の素は健康に悪いという無理筋な批判じゃあ納得出来ないでしょう。どんな調味料だって使い方を間違えれば身体に悪いし不味くもなります。工場で作られていることが嫌なのかも知れませんが、冒頭に書いた伯方の塩が生まれた理由である「大半の塩」はイオン交換膜を使って化学的に生産されています。味の素否定派に関しては、多分、「情報を食う」悪い例ですね。

結局ゴチャゴチャ言わずに、「うまいもんはうまい」が真理なのです。

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