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MAツールの現場浸透に悩むビジネスパーソン必見!積極的な活用に向けて、すぐに取り組みたい2つの教育ポイント

1.       MAツールの導入はなぜ頭を抱えるのか?

市場競争を勝ち抜くために、今やwebマーケティングは必須となりました。

検索エンジン、メール、パソコンやスマホの各サイト等での施策を実施し、そして効果検証をする。対面営業からの受注を前提とした時代からは信じられないくらいのスピードでマーケティングのモデルも変化したと言えます。

さらにいえば、MA(Marketing Automation)ツールの流通によって、これらの変化が加速化しています。

しかしこのMAツール、便利で生産性高く、見込み客生成ができるものの、誤解を生んでいる現場も多いのが実情です。それは、特に営業部隊から来る以下のような意見です。

「いくら良いシステムを入れても、営業が頑張らなければ顧客は掴めない」

「データ入力作業が増えるだけで、営業現場にはメリットが少ない」

システムの活用を推進して、データを活かしたマーケティングで成果を出したい推進担当からすれば、大きなストレッサーだったりします。


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そして、上記のような軋轢を解消するために、MAツールを提供するベンダーからは決まってこう言われるのです。

「まずは、導入の目的を浸透させましょう。目的がわからなければ人間の行動は変わらないのです。浸透推進のリーダーの方がめげてはいけません。

目的をしっかり発信し続けるようにしましょう。」

さて、ここで立ち止まって考えてみましょう。

目的を知ってもらったところで、本当に人の行動は変わるのでしょうか?

MAツールの導入目的は、つまるところ「顧客の増加によって、売上・利益を増やすこと」です。この目的は明白です。

しかし、「MAツール」という対象に対して、そもそもの認識が異なってしまえば、いくら目的を語っても人は動きたくなくなります。

例えば、先ほど用いた例を出すと、「データ入力作業が増えるだけで、営業現場にはメリットが少ない」と思っている営業担当に、いくら目的や重要性を伝えても、「面倒なものだから嫌だ」となってしまいます。

しかし、本来MAツールというのは営業が一番やりたくないであろう、「見込客がないなら、電話をかけまくれ!」「飛び込んで名刺を渡してこい!」を解消できるツールでもあるわけです。

この認識を営業担当に持たせることはできているでしょうか。

実は、目的の浸透と同じくらい大事なのは、「認識を変えるためのインプット」なのです。

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では、どうすれば認識を変革しやすくなるのでしょうか。


2.       教育によって視野を広げてみよう

一般的にMAツールなどのシステム導入の推進を任されている方は、「どのようなKPIを設定するべきか」「どのように現場に浸透させるべきか」に腐心しています。

その一方で、営業現場で働くセールスは「働き方改革の中で、訪問数をどのように担保していくべきか」「商談の内容をどうブラッシュアップするべきか」と、自身の業務に関連するKPIに目がいきがちです。

どちらも正しいのです。しかし、見ている世界が「自分に関する業務」になっているので、意見が合わないのです。

担当している業務に関して自分が視野狭窄に陥っていないかどうかを、自分自身で知るためには、知識のインプットによって自分を俯瞰的に見れるようになることが必要です。

自分が担当している業務が自社のバリューチェーンのどこを担当していて、そのKPIの影響度はどの程度なのか。他の部署とのKPIと競合しないのかどうか、を知識として理解しておかねばなりません。

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3.       営業マネージャーが知っておきたい2つのテーマ

では、バリューチェーンを俯瞰できるようになるために、営業現場が知っておくべき知識とはどのようなものでしょうか。

特に、現場で指導する立場にある営業マネージャーはこれからの時代に必須ともいえるテーマかもしれません。

具体的には、「webマーケティング」と「集客における収益構造」に関わる内容です。

①webマーケティングへの理解

マーケティング系の学習といえば、「4P」「STP分析」「PPM」といった理論に基づいて、自社のビジネスを分析しよう、といった類のものを連想しますが、より実務に近い内容を学習するべきです。

より具体的に言えば、「Googleアナリティクスの見方」や「自社のサイトにおけるPV、UU、CTRなど」の数値の読み解き方です。

ここのデータの見方を理解し、MAツールで顧客の動向を追えば、将来的に顧客になるであろうリード情報を商談前に丸わかりになるわけです。

商談が進む前に、顧客の興味対象や自社商材への関心度合いがわかれば、その後の商談管理が、楽になることは間違いないのです。

このことを肌身で実感するためにも、webマーケティングの基礎は抑えておくべきなのです。

②集客における収益構造への理解

それに加えて、忘れてはならないのが「収益構造」です。

実は、営業現場に知られにくいことに「Googleなどに代表されるWEB広告費用」があります。

web広告の運用に関わっている方なら、ごくごく当たり前のことかもしれませんが、Googleで広告を回すだけでも1ヶ月で数十万円以上のランニングコストがかかっています。

営業現場では、商材にかかる原価ばかりに目がいきがちですが、実はその裏で顧客を呼び込むために莫大なコストがかかっていることも同時に知るべきなのです。

このコスト感覚が身に付けば「顧客獲得単価」を意識するようになります。

いくら売上が良かったとしても、獲得顧客がそれ以上に多かったのであれば損益を割ることが頻繁に発生する、ということをこれからの時代はより一層意識せねばなりません。

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4.       データは、価値ある財産にも化けるし、コストにも化ける

MAツールの効果を正しく抑えるには、「データ」に対する認識も変えなければなりません。

ここでいうデータとはMAツールに蓄積していく顧客情報、とも読み替えることができますが、この情報を組織のルールに則って正しく入れなければ、がらくた同然のコストになってしまいます。

前章で見たように、1人(あるいは1社)のリード客を集客するにも、いくらかのコストがかかっています。

仮に受注につながらなかったとしても、そのあとのセールス活動に生かすためのデータにならなければ、ただのコストなのです。

このように、大量のコストデータを生み出さない為にも、意味のあるデータとして蓄積していかねばなりません。

1件受注のために100件のリードが必要だったところを、データを意味ある情報として残し、10件のリードで1件の受注ができれば、同じ受注でも収益インパクトは大きく変わります

このことをぜひ組織全体で理解して、MAを活用していくのが望ましいのです。


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5.       まとめ

今日紹介した2つの教育テーマは、MAツールで顧客情報を活用し、より生産性の高い営業活動を実現するための必須科目です。

いくら便利なツールがあって、その導入目的を聞いていても、人は簡単に行動を変えることはできません。

理解を促進する前提となる知識があって、認識が変わることで初めて推進担当からの「お尻を叩く」行為が有効になります。

そのことを念頭に置きながら、皆さまの会社でも営業改革が進んでいくことを願っています。


MAツールの現場浸透に悩む皆様にとって、本記事が推進の一助になれば幸いです。

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