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40年後の定年退職が怖い

 突然だが、私は社会人3年目で、もうすぐ25歳になる。

 やっと仕事に慣れてきて、上司のサポートをしたり後輩を指導したりと、今までよりできることが広がってきた。

 社会人としてはまだアマチュアな私が今もっとも恐れていることは、40年後に迎える定年退職だ。

 もしかしたら延長されるかもしれないが、このままいけば40年後の65歳になる年に定年退職するだろう。それが今もっとも怖い。

 別にワーカホリックではない。定時帰宅率は部署の中でも1位を狙えると自負するくらいにはさっさと仕事を切り上げて推し活している。

 毎日通勤中の電車で「仕事嫌だな」と思っているし、寝る前には「明日仕事嫌だな」と思っている。だけど、定年退職するのが怖い。

 なぜかと言うと、定年後の生活が想像できないからだ。

ラチェット効果

 未来のことを知り得ないのは当たり前なのだが、働かなくなった自分の生活、より正確に言うと収入のなくなった自分の生活が想像できない。

 人は可処分所得が減ったときに、その低下分と同程度には生活水準を下げることができない(「ラチェット効果」という)。

 これは全員に当てはまるものではないかもしれないが、少なくとも自分には当てはまると思っている。

 少し自分語りすると、私はあまり裕福ではない家庭の出身だ。月謝の発生する部活動には入部できなかったし、塾にも通えなかった。月収金額分も貯金がないことを親は隠さなかったし(さすがに借金の存在は完済してから知った)、子どもが「うちは貧乏なんだな」と察する程度には、裕福ではなかった。

 今は就職して、人並みの生活ができている。実家から通勤しているからそれなりに貯金も増える。学生の頃より生活水準が上がってしまったのだ。だから、生活水準が下がることが怖い。好きなものを我慢して、友達と遊ぶのを我慢して、学びたい学問を諦めるようなことは二度としたくない。

 もし40年後、定年退職して、収入が年金だけになったら? 平均寿命までの20年間、今の生活水準を維持できるのか? 無理だろう。

 医療技術が進歩すれば、平均寿命も延びる。リンダ・グラットン教授が提唱した「人生100年時代」だってお伽話ではない。

 100歳まで私が生きるとして、65歳に定年退職したら、残りの35年間はどうやって生きていくのだろう? 現役時代の貯蓄を切り崩したとして、どこまで生活水準を維持できるのだろう? 病気になったら? けがをしたら?

 そもそも生まれてから25年、収入を得るようになってから2年とちょっとしか経っていない自分には、35年間を無収入で生きる術など想像もつかない。

定年まで働いて、その後は?

 何事もなければ、現在勤めているところで定年まで働くことができると思う。学生時代に「定年まで働ける」を重視して就活したから。

 だけど、定年まで働ける企業でも、定年後の保証はしてくれないことを社会人になってから気づいた。遅すぎる。

 じゃあ国が保証してくれればいいのかと言うと、それも違うと思っている。私はどちらかというと社会主義に懐疑的なので、自分で生きるための糧は自分で働いて得たい。(もちろん、働くことができなくなった場合の最低限のセーフティネットは必要だと思う。富の再分配は行政の役割だし。)

 だから、定年後の35年間を生きるためには、定年後も働き続ける必要があると考えている。では、どうやって働くのか?

 働き方改革やワーク・ライフ・バランスが叫ばれる中、高齢者も働く時代になっている。シルバー人材センターを思い浮かべるとわかりやすいかもしれない。駐輪場管理やチラシのポスティングをしているところを見たことがある人もいるだろう。

 しかし、シルバー人材センターがあるなら就職先も紹介してもらえるね、安心だね、とはいかない。シルバー人材センターで就業した場合、得られるのは月平均で3~5万円なのだ。

 3万円でもあるのとないのでは大きく異なる。だが、今後高齢者が増える時代に、3万円分も仕事を紹介してもらえる保証はない。

 安定した収入を得て生活水準を下げないためには、会社の取締役級まで出世するか、手に職をつけるか、不労所得をゲットする必要がある。

定年後も働き続ける

 定年後も収入を得るには、不労所得でもない限り、働き続けるしかない。

 会社の取締役級まで出世するか、手に職をつけるかは人それぞれだが、私はすでに出世コースを外れた感がある(定時帰宅率No.1からもおわかりいただけるだろう)ので、手に職をつける方向で考えてみる。

 まず、私は勤め先で手に職をつけられるだろうか。このまま定年まで働き続けて、この会社で磨いたスキルを活かして、定年後に仕事を得ることができるか? たぶん無理だ。

 ここで働き続ければ、企業特殊的熟練は伸びるだろう。だけど、磨かれるスキルは、おそらく勤め先以外で評価されないこともわかる。

 手に職をつけて定年退職後も働き続けるためには、働きながら勉強するか、転職して一般的に通用するスキルを身に着けるか、あるいはその両方が必要なのかもしれない。

40年後の定年退職が怖い

 私が40年後、65歳になったときに退職して、次の日から生活水準を下げることは難しいだろう。

 だから、生活水準を下げなくていいように、収入を得る必要がある。

 定年退職後に収入を得るには、働くしかない。

 働くためには、仕事をゲットできるだけのスキルが必要だ。

 40年後にそれだけのスキルを持てるように、私がしなければならないのは、学んで、人脈を広げて、経験を積むことだろう。

 今日こうして考えたことを忘れないために、このnoteを書いた。定期的に読み返して、40年後に備えたい。

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