株式投資におけるテクニカル分析について②
パート①に続いてパート②では主にローソク足の基本、チャートパターンから見えるサインや酒田五法、ダウ理論、エリオット波動について解説していきますのでよろしくお願いします。
ローソク足とは
ローソク足とは、一定期間の相場の4本値(始値、高値、安値、終値)を用いて一本の棒状の足を生成したもので、このローソク足を並べていくことで、相場の状態や流れを一目でわかるようにしたチャートをローソク足チャートといいます。
ローソク足チャートは、日本の江戸時代に生まれた伝統のあるチャートで、現在では海外でも広く使われています。
まず、ローソク足の基本を理解しましょう。
理解を深めるために、相場の参加者が、買い方と売り方に分かれて、2つの勢力が相場でぶつかりあいその結果としてどういう場合にそれぞれのローソク足となるかを見ていきましょう。
ローソク足の作り方
ローソク足には、「陽線(ようせん)」と「陰線(いんせん)」の2種類があります。
始値より終値が高い場合を「陽線」といい、始値より終値が低い場合を「陰線」といいます。
ローソク足は、実体と上ヒゲ(うわひげ)、下ヒゲ(したひげ)の3つから成り立っています。
始値と終値を四角で囲んだ部分を実体といい、陽線なら白か赤、陰線なら黒や緑にするのが一般的です。
この色が陽線、陰線の呼び名のもとになっています。
高値から実体に引いた線を上ヒゲ、安値から実体に引いた線を下ヒゲといいます。
上ヒゲ、下ヒゲを上影、下影と呼ぶこともあり、このあたりはメイドインジャパンを感じさせます。
ローソク足の期間は、短期売買なら短い時間にし、長期投資であれば長い時間にするのが一般的です。
最も一般的なのは1日を時間の区切りにした足で、これを日足(ひあし)といいます。
長い期間の足としては、1週間の足を週足(しゅうあし)、1ヵ月の足を月足(つきあし)といい、
短い期間の足としては、1分、5分、30分などの足を分足(ふんあし)、1時間、4時間などの足を時間足(じかんあし)といいます。
ローソク足の基礎
陽線
買い方の勝利。
日足であれば、1日の取引開始から終了まで、買い方と売り方が戦って、最終的に買い方が勝利したことになります。
そしてローソク足の実体が長いほど買いの勢いが強いと考えます。
陰線
売り方の勝利。
ローソク足の実体が長いほど売りの勢いが強いと考えます。
十字線
引き分け。
始値と終値が同値で、ローソク足の実体がない形。
買い方と売り方の勢力が拮抗していると考えます。
高値圏ではこれまでの買い方の勢いを売り方が止めたことになり下落への転換の示唆に、安値圏ではこれまでの売り方の勢いを買い方が止めたことになり上昇への転換の示唆になります。
上ヒゲ
買い方が高値まで買いで攻めたが、売り方の抵抗で押し戻された。
ヒゲが長いほど売りの抵抗が強かったことを示唆しています。
下ヒゲ
売り方が安値まで売りで攻めたが、買い方の抵抗で押し戻された。
ヒゲが長いほど買いの抵抗が強かったことを示唆しています。
ローソク足分析の基礎を理解すると、次のような分析によって相場の検討に活用できます。
ローソク足の種類
大陽線(だいようせん)
買い方の大勝利。
ローソク足の実体が他に比べて明らかに大きくチャート上で目立つ陽線を大陽線といいます。
実体の長さの目途としては、普段の値幅の5倍以上です。
売り方の勢いが弱まっておりその後も買いの勢いが続くことを示唆しています。
大陰線(だいいんせん)
売り方の大勝利。
大陽線と反対の性質を持ちます。
買い方の勢いが弱まっておりその後も売りの勢いが続くことを示唆しています。
陽線坊主(ようせんぼうず)
買い方の一方的な勝利。
上下のヒゲがなく比較的大きな実体をもつ陽線を陽線坊主といいます。
(ヒゲのないローソク足を坊主といいます)
買い方は売り方に対して始値から下の安値を作ることを許さずに始値が安値になっており高値からの押し戻しも許さずに終値が高値になっています。
上下のヒゲがないことで買い方が一方的に押している状況が表現されておりその後も買い方の勢いが続くことを示唆しています。
陰線坊主(いんせんぼうず)
売り方の一方的な勝利。
陽線坊主と反対の性質を持ちます。
上影陽線(うわかげようせん)
上ヒゲの長い陽線を上影陽線といいます。
高値圏では下落への転換の示唆になります。
買い方の勝利であるが売り方の抵抗が強かったという解釈です。
安値圏では上昇への転換の示唆になります。
売り方に抵抗されたが最終的には買い方が勝利したという解釈です。
上影陰線(うわかげいんせん)
上ヒゲの長い陰線を上影陰線といいます。
高値圏では下落への転換の示唆になります。
売り方の抵抗が強く、最終的にも売り方が勝利した、という解釈です。
下影陽線(したかげようせん)
下ヒゲの長い陽線を下影陽線といいます。
安値圏では上昇への転換の示唆になります。
買い方の抵抗が強く最終的にも買い方が勝利したという解釈です。
下影陰線(したかげいんせん)
下ヒゲの長い陰線を下影陰線といいます。
高値圏では下落への転換の示唆になります。
買い方に抵抗されたが最終的には売り方が勝利したという解釈です。
安値圏では上昇への転換の示唆になります。
売り方の勝利であるが買い方の抵抗が強かったという解釈です。
最後に、基本的な9種類のローソク足をまとめます。
9種類のローソク足
(寄引同時線は、十字線の別名です)
複数のローソク足の組み合わせによるチャート分析
ローソク足の知識の基礎がしっかりしているとファンダメンタルの知識がなくても一目で相場の状態をある程度推測することができます。
ファンダメンタルの知識や分析はもちろん重要なのですが知識の取得や考察には時間がかかり相場は待ってくれません。
ローソク足の分析により検討の時間を短縮することでファンダメンタル分析と併用した活用もできます。
このあたりがローソク足チャートが広く支持されている理由なのでしょう。
複数のローソク足を組み合わせることで相場のパターン分析を行うことができます。
2本や3本のローソク足の組み合わせで実際の相場の検討に活用できるものが多いので広く使われています。
これをよく理解するには1本のローソク足の基礎の理解がとても大事です。
わからないと感じたときは、ローソク足の基礎に戻って1本のローソク足の意味を復習してみましょう。
窓(まど)
隣り合うローソク足の安値と高値が離れている場所を窓といいます。
空(くう)ということもあります。
図のように上の方向へ窓ができることを、上への窓開け(まどあけ)といいます。
取引のされていない時間に突発的なニュースなどが出たときによく出現します。
前日の水準では買いを吸収できないために起こる現象であり窓を開けた方向に相場が動くことを示唆しています。
大きなニュースや新しい買いの勢力の出現で広く開いた窓の示唆は強いものになります。
一方で弱い材料や海外市場の動きで簡単に開いた狭い窓の示唆は弱いものになります。
下への窓開けの場合には上への窓開けと反対になり買いが売りに置き換わります。
星(ほし)
前後に方向の違う窓を開けている小さなローソク足や十字線を星といいます。
相場の安値圏でこのパターンが出ると下落から上昇への転換の示唆になります。
図の例だと1本目の下方向への窓でパニック的な売りが出る→星で買いと売りの勢力が拮抗し2本目の上方向への窓で買いが優勢になったと考えることができます。
星については有名な2つの複数足分析があるので、次に紹介します。
明けの明星(あけのみょうじょう)
陰線、下向きの窓、星、上向きの窓、陽線が順番に並んだ3つのローソク足によるパターンです。
安値圏でこのパターンが出ると下落から上昇への転換の示唆になります。
明けの明星というこの複数足の組み合わせのパターンは、次のような相場の状態を示唆しています。
1本目の陰線では売り方の勝利。
その後の下方向への窓は、パニック的な売りが出たことを示唆。
2本目の十字線に近い小さな陽線は、売りと買いの拮抗から、買い方が小さな勝利。
その後の上方向への窓は、売りが枯渇して、買い方が逆転したことを示唆。
3つ目の陽線では買い方の勝利。
宵の明星(よいのみょうじょう)
明けの明星と反対のパターンを宵の明星といいます。
高値圏でこのパターンが出ると、上昇から下落への転換の示唆になります。
はらみ線
2本目のローソク足が、1本目のローソク足の実体のなかに入ってる2つのローソク足の組み合わせをはらみ線といいます。
1本目のローソク足の実体を母親のお腹としてその中に2本目のローソク足をはらんでいるという名前です。
ローソク足分析の名前にはメイドインジャパンを感じさせるものが多いのですがこれはその最たるものです。
安値圏で1本目のローソク足が大陰線のはらみ線は、下落から上昇の転換を示唆しています。
左から陰の陽のはらみ線、陰の陰のはらみ線、陰のはらみ寄せ線といいます。
いずれも2本目のローソク足の安値は1本目の大陰線の安値より上にあり安値を更新できていません。
また買いと売りが拮抗してきたことから値動きは前日より小さくなっています。
これらの特徴は1本目の大陰線で売りが出切ったことを示唆しています。
高値圏で1本目のローソク足が大陽線のはらみ線は上昇から下落の転換を示唆しています。
左から陽の陽のはらみ線、陽の陰のはらみ線、陽のはらみ寄せ線といいます。
陰のはらみ線と反対の意味をもつ複数足によるパターン分析になります。
はらみ線の陽と陰は1本目のローソク足をみます。
1本目の大陰線/大陽線で、売り/買いが出切っていると分析していることがポイントです。
つつみ線
はらみ線とは逆に1本目のローソク足が2本目のローソク足の実体のなかに入ってる2つのローソク足の組み合わせをつつみ線といいます。
2本目のローソク足が1本目のローソク足をつつみこんでいるという名前になります。
抱き線ともいいます。
安値圏で2本目のローソク足が大陽線のつつみ線は下落から上昇の転換を示唆しています。
これを陽のつつみ線といいます。
2本目の大陽線の意味は売り方は2本目のローソク足の安値まで攻めたもののそこが限界で買い方が一気に1本目のローソク足の高値を超えるまで攻め込む大逆転があったと考えます。
日足であれば売り方から買い方への大逆転が1日で起こったと考えます。
高値圏で2本目のローソク足が大陰線のつつみ線は上昇から下落の転換を示唆しています。
これを陰のつつみ線といいます。
陽のつつみ線と反対の意味をもつ複数足によるパターン分析になります。
つつみ線の陽と陰は2本目のローソク足をみます。 2本目の大陽線/大陰線で逆転が起こったと分析していることがポイントです。
酒田五法
酒田五法は、日本古来の罫線の中でも最も古典的であり、罫線分析の基本として非常に有名です。
酒田五法は「三山(さんざん)」「三川(さんせん)」「三空(さんくう)」「三兵(さんぺい)」「三法(さんぽう)」という5つのチャートのパターンが基本になっています。
これらの基本パターンは、チャートのフォーメーション分析や様々な複数足分析の土台になっています。
三山(さんざん)
3回突破できなかった高値はもう突破できないだろうという推測で相場の天井を見極めるパターン分析です。
3つの山の真ん中の山が一番高いパターンを特に三尊(さんぞん)といいます。
3つの山を結んだ線を天井(てんじょう)といい相場が天井を抜くことはもうないだろうという分析から売りという活用法になります。
三山はフォーメーション分析のヘッドアンドショルダーズトップでありトリプルトップということもあります。
ダブルトップは三山の出現数が少ないことから2つの山でも天井になる確率は高いという考えであり広く世界に広まっています。
天井を確認したら売りということではありますが天井での逆張りは狙わずに天井を確認してから順張りで売れという奥深さを含んでいます。
三川(さんせん)
三山の逆で逆三山(ぎゃくさんざん)ともいいます。
3回突破できなかった安値はもう突破できないだろうという推測で相場の底を見極めるパターン分析です。
3つの安値を谷と考え谷には川が流れていると考えて三川です。
3つの谷の真ん中の谷が一番低いパターンを特に逆三尊(ぎゃくさんぞん)といいます。
3つの谷を結んだ線を底(そこ)といい相場の底が抜けることはもうないだろうという分析から買いという活用法になります。
三川はフォーメーション分析のヘッドアンドショルダーズボトムでありトリプルボトムということもあります。
ダブルボトムは三川の出現数が少ないことから、2つの谷でも底になる確率は高いという考えであり広く世界に広まっています。
底を確認したら買いということではありますが底での逆張りは狙わずに底を確認してから順張りで買えという奥深さを含んでいます。
三空(さんくう)
空(=窓)に焦点を当てたパターン分析です。
空は突発的なニュースなどで相場がパニック的に動いたことを示唆しています。
それが3回続けばパニックは行き過ぎであり逆張りのチャンス!という活用法になります。
相場の高値圏で4本の陽線と3つの上方向の空が連続するパターンを三空踏み上げ(さんくうふみあげ)といいます。
強烈な買い材料が出ていることが多いので実際にやるのはかなり怖いものなのですが勇気を出して逆張りの売り!というパターンです。
安値圏で4本の陰線と3つの下方向の空が連続するパターンを三空叩き込み(さんくうたたきこみ)といいます。
強烈な売り材料が出ていることが多いので実際にやるのはかなり怖いものなのですが勇気を出して逆張りの買い!というパターンです。
順張りの活用法が多い酒田五法のなかで三空は明確な逆張りという特異な性格をもっています。
三空のパターンを実際に使うには、十分な資金と気持ちの余裕をもっていることが大切と思われます。
三兵(さんぺい)
連続する3本の陽線あるいは陰線を三兵といいます。
相場の安値圏で3本の連続した陽線が出るパターンを赤三兵(あかさんぺい)といいます。
陽線は白または赤でチャートに記入するのが基本なのでこの名前になっています。
陽線の基本的な考え方を理解していれば底値圏で3本連続の陽線が出現するパターンが買いの基本パターンの1つになることは理解できると思います。
強い相場についていく順張りの買いのパターンとして活用します。
相場の高値圏で3つの連続した陰線が出るパターンを黒三兵(くろさんぺい)といいます。
陰線は黒や緑でチャートに記入するのが基本なのでこの名前になっています。
黒を烏(カラス)に例えて三羽烏(さんばがらす)ということもあります。
高値圏からの下落を示唆する不吉なパターンを三羽の烏(カラス)に例えた名前です。
江戸時代の米相場が激しく動いていことを示唆するネーミングセンスです。
弱い相場についていく順張りの売りのパターンで活用します。
上ヒゲの基本的な考え方を思い出せば次のような応用も可能です。
売りの強い抵抗を示唆する長い上ヒゲが2本目と3本目の陽線についていると赤三兵の買いパターンが失敗する可能性もあるという示唆になります。
このパターンを赤三兵の先詰まり(あかさんぺいのさきづまり)といいます。
三法(さんぽう)
動かない相場では休んで相場が動き出したら取引を始めるという分析を三法といいます。
三法はレンジ相場では取引を休み相場がレンジから離れて動き出したら動いた方向に仕掛けるというブレイクアウトの順張りのパターン分析になります。
レンジ相場では取引を休み相場がレンジ相場の高値を明確に上に抜けたら買いで仕掛けるというパターンを上げ三法(あげさんぽう)といいます。
レンジ相場では取引を休み相場がレンジ相場の安値を明確に下に抜けたら売りで仕掛けるというパターンを下げ三法(さげさんぽう)といいます。
ダウ理論
ダウ理論は、米国の証券アナリストであったチャールズ・ダウ氏が提唱したチャート分析理論です。元々は株式市場の分析のために導き出された理論ですが現在では株式市場、為替(FX)、暗号資産等多くのトレードにて有効活用されています。
ダウ理論の6つの法則
ダウ理論は次の6つの法則から構成されます。
法則①:価格はすべての事象を織り込む
経済指標や金融政策といったファンダメンタルズ要因、戦争やテロ、災害なども含めて、全の事象はチャート上の値動きに反映されているという意味です。
相場の値動きはこれらの事象を受けて形成される需給バランスによって日々変動しており、逆に言えばすべての情報が織り込まれた結果が現在のチャートであると考えることができます。
法則②:トレンドは3種類ある
ダウ理論では、相場には次の3種類のトレンドがあるとされます。
1年から数年間継続する「長期トレンド」
3週間から3ヶ月間継続する「中期トレンド」
3週間未満の「短期トレンド」
法則③:トレンドは3段階ある
ダウ理論ではさらに、トレンドには次の3つの段階があると考えます。
第一段階「先行期」
一部の先行投資家が底値で買ったり、天井から売ったりして価格に緩やかな動きが出る時期。
第二段階「追随期」
先行期の動きに市場全体が追随して急激な価格変動が起きる時期。
第三段階「利食期」
先行期にエントリーしていた投資家が利益確定を行う時期。
法則④:平均は相互に確認される
より高い精度でトレンドをとらえるためには、複数の銘柄で同じトレンドを確認するべきということです。
法則⑤:トレンドは出来高でも確認できる
出来高とは一定期間中に成立した売買数量のことです。一般的に株式投資では出来高を確認することができ市場の活性度合いや銘柄ごとの人気度を判断する指標となります。
法則⑥:トレンドは明確な転換サインが出るまで続く
ダウ理論では発生したトレンドは明確なトレンド転換サインが出るまで継続すると考えます。ダウ理論でトレンドと見なされるのは上昇トレンドならば安値は更新せずに高値を更新していく場合、下降トレンドならば高値は更新せずに安値を更新していく場合です。
このような状況が続けば明確なトレンドが発生していると見なすことができます。そして上昇トレンドで高値を更新せずに安値を更新した場合や下降トレンドで安値を更新せずに高値を更新した場合はトレンドの転換サインと見なされます。
ダウ理論を使ったチャート分析方法
ダウ理論の6番目の「トレンドは明確な転換サインが出るまで継続する」という法則を踏まえトレンド転換サインの読み取り方を押さえておくとトレンド相場でエントリーポイントを見極める際に活用できます。
まず価格が上昇している場面では安値は更新せずに直近の高値を更新していれば上昇トレンドが発生していると判断でき直近の高値を更新したタイミングが買いのエントリーポイントとなります。
その後直近の高値を更新せずに安値を更新した場合トレンド転換サインとなり、上昇トレンドは終了と判断できます。この時点で売りを入れることもできますがその後一旦安値をつけた後の戻り高値のタイミングをエントリーポイントとすることもできます。
エリオット波動理論
エリオット波動とは米国の株式アナリストのラルフ・ネルソン・エリオット氏が提唱したチャート理論です。簡単にまとめると「相場の値動きには5つの上昇波と3つの下降波という周期的なパターンがある」というものです。
こちらも元々は株式市場の分析から発見された理論ですが、現在では幅広いトレードにて活用されています。
エリオット波動の基本形は次のような形です。5つの上昇波と3つの下降波がありそれぞれ波の中に入れ子構造のような形でさらに小さな5つや3つの波があります。
まず「上げ→下げ→上げ→下げ→上げ」というパターンで上昇し、その後に「下げ→上げ→下げ」というパターンの下降波が続きます。
エリオット波動には次のような3つの基本原則があります。
・推進波の第1、3、5波の中で第3波が最も短くなることはない
・推進波の第2波が第1波を超えて安値をつけることはない
・推進波の第4波が第1波の高値を下回ることはない
推進波が上記の3原則を満たしていればエリオット波動が成立する可能性があり、その後の修正波の予測を立てることができます。ただし、上記の3原則を満たすからといって必ずエリオット波動の基本パターン通りの値動きになるとは限らないため注意が必要です。
エリオット波動のエクステンション
実際のチャートを見てみると、エリオット波動に近いもののパターンが崩れているように見えたり波の数が違っていたりする場合があります。これらはエリオット波動の変形型で「エクステンション」と呼ばれます。
エクステンションの例で多いのは第3波や第5波が長くなるケースです。
エクステンションでは長くなった波の中にさらに小さな5つの波があるというパターンが多く見られます。
慣れないうちは少し難しいかもしれませんが、前述のエリオット波動の3原則と、波動のパターンが入れ子構造で現れるというポイントを押さえておくと分析しやすくなるでしょう。
エリオット波動を使ったチャート分析
エリオット波動の取引への活用例として実践しやすいのは第3波の波に乗って利益を出す方法です。第3波は5つの推進波の中で値幅が最も大きくなる傾向があり利益を狙いやすいと言われています。
具体的には第3波の形成中に第1波の高値を超えたタイミングで新規注文を出し第3波の終盤で決済します。
いかがでしたか?
パート②ではローソク足の基本から複数足を組み合わせたサイン、酒田五法、ダウ理論、エリオット波動等難しい用語も出てきましたが内容を覚えてしまえばそこまで複雑でないにも関わらず相場では非常に役立つ知識になります。
一気に覚えようとせず少しずつ覚えていくといいかもしれませんね。
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