見出し画像

Globetrotter@ミュンヘン 訪問記

体験型スポーツ用品店!ととても期待して訪問したが、体験設備は設置してあるものの、ほとんど使われておらずがっかりをした。
しかしそれをきっかけに、「これからウケる「体験型」リアル店舗はどういう店か?」について考えるヒントを得られた視察だった。

Globetrotterはドイツ国内に10店舗(通常店舗9+アウトレット店1)を出店しているスポーツ用品チェーン。イギリスに同名の紙製のトランクのブランドがあるが、それとは関係はない。

実際に商品を試してみてから購入できることを重視して、クライミングウォール、プール、冷凍室、防水実験設備などを備えた店を作っている。

訪問したのはMunchenの店舗。旧市街のすぐ外側にある、地上4階/地下1階の6,500㎡のビルに入っている。

出典:Globetrotter社Webサイト

Webサイトでの説明では、
・カヤックやダイビング機材を試せる、水流発生機能付き、水深1m/面積100㎡のプール

出典:Globetrotter社Webサイト

・雨具などの防水実験室

出典:Globetrotter社Webサイト

・防寒具を試せる1.25㎡の冷凍室

出典:Globetrotter社Webサイト

・予防接種などが出来るクリニック

出典:Globetrotter社Webサイト

・ガラス製クライミングウォール

出典:Globetrotter社Webサイト

・テントや寝袋の泊まって試せるスペース

出典:Globetrotter社Webサイト

とあるが、実際には、
・プール → 冬の橇やスノーボードなどの展示のため蓋をして売場として利用中
・防水実験室 → 最近使用された形跡なし

・冷凍室 → メンテナンス中のため使用できず

で、実際に使用していたのはクリニックとクライミングウォールだけであった。

訪問したのは平日の午後早めの時間。来店客はまばらで店員もさほど店内におらず、がらんとした店内。
商品の種類は日本の大型アウトドア用品店と比べると少なめだが、欧州では多い方。またサイズを多種揃えているため、売場は商品の陳列量が多い。そのために余計、様々な体験設備が目立たない。

この店舗の記事を読んだとき、これからのリアル店舗の目指す方向性の一つだ、と思ったが、実際の店舗は白けていた。
これは、
?:消費者は実際、このような「試せる」ことは望んでいない。普通の試着で十分であり、このような設備はかえって買い物が面倒になる?
?:たまたま、このような設備を使いたいような来店客が来る時間帯ではなかった?
?:工夫が足りなかった。売っている商品ではなく、試せる用の試着品を用意すべきだった?
?:もっと大々的にやるべきだった。ダウン衣料売場全体が冷凍庫とか?

実際に訪問してみて、消費者が望んでいる「体験型」アウトドア店舗は、多分このような形ではないと感じた。
オンライン・リテールが発展すればするほど、リアルの店舗で実際にフィジカルに体験できる場所が求められる、これは変わらない。
しかし、あのような形ではない、別の形の体験が求められている。例えばの室温を-30°から+50度まで自由に変更できる試着室、衣料を試着したまま登れる坂道とか。

新しいリアル店舗の姿を考えるのは、難しい。
しかし手探りで試行錯誤して見つけていくしかないし、そのような小売業が生き残る小売業だと思う。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?