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「呼びかけ」は、ルール主義型 ASD にとって、かなり苦しい現象なのではないか

 流行りの感染症に対して、東京都の対応は ASD (自閉症スペクトラム)の私にとって かなり強いストレス です😥

 この記事では、ASD(自閉症スペクトラム) 当事者の私が、 ASD 的な特性によって、強い心理的ストレスを受ける仕組み をお伝えします。このことを通じて、以下2点を皆様にお届けすることが目的です:

-  ASD 当事者に この疲れは自分だけではなかったのか と安心してもらうこと
- 周囲の人たちが 彼の感じていたストレスの正体はこれだったのか と理解し、不要なイザコザを防ぐこと

【補足】
 小池都知事は選挙によって選ばれているため、知事の意思決定には都民の合意があると推定するべきです。また、私は民主主義に賛成です。そのためこの記事は、知事に対して行動の変化を希望したり、政治的な評価や提案を行うものではありません。この記事の目的はあくまでも前記2点に限定している旨ご留意ください。

「呼びかけ」にパニクる私

 私は普段、生きていてあまり怒ることがありません。もちろん小さくイラッとすることは多々ありますが、自分でも気づかないほど小さなものであったり、十分受け流せるものです😙

 しかし、この「呼びかけ」に対しては、かなり強い 怒りの衝動 が生じます。同時に、 いや、こんなことで怒ってはいけない という強い自制が生じるため、自分で勝手に板挟みになり、結果的に(外から見れば黙っているだけですが)脳内では軽いパニックになります🤬

 これと似た現象は他にもあります。程度は異なりますが、例えば以下のようなものは板挟みになってしまいます:

 - 東京都の客引き防止体制
 - 駐輪禁止地区に並ぶ自転車
 - 歩道を通る自転車が鳴らすベル

 この怒りの衝動は定型発達のかたになかなか理解していただけないと思うのですが、ASD のかたには比較的共感していただけると思います。この怒りの源泉がなんなのか、自分なりに整理してみたいと思います。

「ルール」が「心がけ」で乱される怒り

「呼びかけ」に対して私が抱く怒りは、一言で言えば 「ルール」が「心がけ」で乱される怒り です🚫

 少なくとも私にとって「ルール」は心の拠り所です。不変の反復であり、安定・安心の基盤です。そして、もっとも強力なルールが法律です。

 人はまず誰からも自由であるべきですが、その自由が他人の自由を侵害する場合、強制力によって最低限度の制限を受けることがあります。それが法律であり、私たちは 法律を守っている限り、誰からもとやかく言われるべきでないし、言うべきでありません

 ところが、今回の感染症に関しては、ルールを飛び越えてさまざまな出来事がありました。市井の人々の行動については発言を控えますが、都知事が外出自粛を「呼びかける」事態となりました。

 この「呼びかけ」とは何なのでしょうか。「不要」や「不急」とは何で、「自粛」とは何なのでしょうか。私は何を、どの限度で制限すればいいのでしょうか。また、自粛していない人もいるようですが、とくに何の も受けていません。つまり、自粛しないことは ではないわけです。じゃあ、都知事の発言は何でしょうか。「がんばれ!」と同じで、言っただけなのでしょうか。いや、それとは違う気がする……。私はあの発言を、どう受け止めればいいのでしょうか。

 と、こんな調子で混乱が生じてしまい、結果的には「俺にどうしろっていうんだよ!」といった怒りと「そんなこと言ったってしょうがない、なぜなら云々」という自制が同時に発動して疲れてしまうのです。

ニュースを見るのはやめよう

 ASD (的な人を含む)に言いたいのは、 ニュースを見るのをやめよう ということです。あと、Twitter ではいくつかのキーワードをブロックするといいでしょう。友人知人から人づてに聞くぶんにはだいぶ他人事として聞けるので、怒りもほとんど湧きませんよ。

 ニュースを見ないと仕事に差し支える人もいるかもしれません。その人は……がんばってください。また、自分と無関係なニュースを遠ざける Tips があればぜひ教えてください👌

あの人が怒っているのは「政策」に対してじゃない。乱された自分の内面世界に対してである。

 もしかするとあなたは定型発達で、周囲に ASD 的な、そして今回の件でギャーギャー言っている人がいるかもしれません。その場合、彼が本当に怒っているのは政策の合理性や妥当性ではなく、 自分の内面世界が乱されたこと に対してであると考えてみてください。

 人間は怒りの感情にもっともらしい理屈を後付けしますが、怒りの発端は案外ちんけなものです。ゆとりを持って「呼びかけって言われても、どうしていいのか分からないよね」と声掛けしてみてはどうでしょうか🧚‍♀️

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