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『意味論的転回』 輪読会

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クラウス クリッペンドルフの『意味論的転回―デザインの新しい基礎理論』を修士ゼミで輪読しています。
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記事一覧

『意味論的転回』第9章

研究室で輪読を行っている『意味論的転回―デザインの新しい基礎理論』の第9章「ウルム造形大学のルーツ」について、全体のサマリ、ゼミでの議論内容、読んだ感想をまとめていきたいと思います。(文責 M1 久永) サマリ第9章の大枠 本章の冒頭でクリッペンドルフは、「起源を明らかにするのは難しい」と述べ、ウルム造形大学と意味論的転回との関係を解き明かすことが困難な理由を、次の3つを挙げて説明します。それは、工業からポスト工業にシフトしていく時代背景、実証主義ではなく科学を素朴に信じ

『意味論的転回』 第8章

現在、岩嵜博論研究室で輪読を行なっているクラウス・クリッペンドルフの『意味論的転回 デザインの新しい基礎理論』の第8章について、全体のサマリー、ゼミでの議論の内容、読んだ感想をまとめます。(文責 M1 河合) サマリー本章では、意味論的転回と他の分野のアプローチの差異について述べています。 8.1 記号論 8.1では、記号論と意味論的転回の違いについて、以下の5点を挙げています。 記号論は2つの世界の存在論に基づいている 記号論は、意味を想像する際の、人間の行為を除

『意味論的転回』 第5章

研究室で輪読を行なっている『意味論的転回―デザインの新しい基礎理論』の第5章「人工物の生における意味」について、全体のサマリ、ゼミでの議論内容、読んだ感想をまとめていきたいと思います。(文責 M1 福原) サマリ第5章の大枠 第5章では、製造・販売・使用などといった人工物のライフサイクルがどのように意味を生み出しているのか、そこに人間はどのように関わっているのかということを、「固体発生論」や「ステークホルダー」という考え方を用いながら説明しています。 デザインには明確な

『意味論的転回』 第7章

研究室で輪読を行なっている『意味論的転回―デザインの新しい基礎理論』の第7章「デザインのための手法、研究、科学」について、全体のサマリ、ゼミでの議論内容、読んだ感想をまとめていきたいと思います。(文責 M1 テツ) サマリ第7章の大枠 意味論は以前無視されていた領域の探索を奨励し、新しい領域の探求に物品の意味、インターフェース、ユーザーモデル、関連するユーザーなどの新しい記述方法を提供する。デザイン意味論は新しいデザインの対話を提案し、科学者だけでなく、デザイナーにも新た

『意味論的展開』第6章

研究室で輪読を行なっている『意味論的転回―デザインの新しい基礎理論』の第6章「人工物のエコロジーにおける意味」について、全体のサマリ、ゼミでの議論内容、読んだ感想をまとめていきたいと思います。(文責 M1 福原) サマリ第6章の大枠 第6章では、人工物がお互いにどのような意味的関係を持つのか、人間が人工物をどのようなものと考えるのかによって、その人工物の相互作用は何であるのかということを「エコロジー」という概念を用いて説明しています。 人工物の種は人間の言葉によって相互

『意味論的転回』 第4章

研究室で輪読を行なっている『意味論的転回―デザインの新しい基礎理論』の第4章「言語における人工物の意味」について、全体のサマリ、ゼミでの議論内容、読んだ感想をまとめていきたいと思います。(文責 M1 本島) サマリ第4章の大枠 第3章では、人間が人工物を使用する際にその意味がどのように立ち現れ、デザインやデザイナーはそこにどう関与できるのか、を「認識」「探究」「信頼」という3つの概念を用いながら説明していきました。第4章では人工物の意味について、本書で一貫して重要視してい

『意味論的転回』 第3章

研究室で輪読を行なっている『意味論的転回―デザインの新しい基礎理論』の第3章「人工物が使用される際に持つ意味」について、全体のサマリ、ゼミでの議論内容、読んだ感想をまとめていきたいと思います。(文責 M1 倉林) サマリ第3章の大枠 人間中心のデザインを説明するために、ここまでにデザインの歴史と、人間中心デザインの概念が紹介されました。製品意味論というコンテキストを用いて工業社会におけるデザインからの変化、人間中心デザインはデザインが人間であることの一部をなす、などが論じ

『意味論的転回』 第2章

研究室で輪読を行なっている『意味論的転回―デザインの新しい基礎理論』の第2章「人間中心のデザインの基本概念」について、全体のサマリ、ゼミでの議論内容、読んだ感想をまとめていきたいと思います。(文責 M1 久永) サマリ第2章の大枠 著者のクリッペンドルフは、意味論的転回について第2章の初めに、「パラダイムのシフト、デザインのための根底からの変化となる」(p.44)と宣言します。技術中心から人間中心への変化は、デザインの常識を180度転換させます。 しかし、その転回の全体像

『意味論的転回』 序論と概観及び第1章

現在、岩嵜博論研究室で輪読を行なっているクラウス・クリッペンドルフの『意味論的転回 デザインの新しい基礎理論』の序論と概観及び第1章「歴史と目的」(p1 – p41)について、全体のサマリー、ゼミでの議論の内容、読んだ感想をまとめます。(文責 M1 河合) サマリー本書は、デザインにおける意味論的関心の歴史をレビューし、その哲学的なルーツを示し、人間中心のデザインのための原理と考えます。まず、序論と概観では、デザインの語源に遡り、「デザイン」の意味の変遷を述べています。第1