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(2)変革の教訓

コンサルタント四方山話は
コンサルタントの役割やクライアントとの関係、
コンサルティング活動の留意点等をご紹介していきます。

前回は
コンサルタントは「会社を良くするために存在する」
というお話でした。

会社を良くするために
コンサルタントが支援するということは
何らかの「変化」が生じるということです。

支援の前後で何も変わらないのでは
支援の意味がないですから。

したがって、
コンサルタントには
何らかの「変革」を担う役割がある

ということになります。

この「変革」ということについて
色々と悩み、考察し、チャレンジし、
以下のような教訓を得てきました。

(1)変えることを目的にしない
変革が必須の役割のため、
変えること自体を目的にしてしまう危険があります。

変革はあくまでも手段です。
「何でも変えればいいわけじゃない。」
という当たり前の感覚を失わないよう
自戒が必要と思っています。

(2)変えたことにしない
変えることが必須の役割のため
もう一つの危険があります。

変えたことをどうにかして証明しようとする心理です。
都合のいいデータを持ってきて
変えたことにするなど、本末転倒なことも起きがちです。

(3)地道に変える
大きな改革・変革はインパクトがあります。
会社が立ちいかなくなる状況など
苦汁の決断で大きく舵を切る場合もあるでしょう。

しかし、変革は地道、着実に進めることが肝心と思います。

派手な改革はその時は大きな成果を上げても
中期的には致命的な反作用・悪影響を及ぼす場合も多いのです。

(4)反作用から逃げない
「変える」ことに皆が賛成するわけではありません。
デメリットを被る人も出てきます。
さまざまな反作用が生じます。
そこから逃げずに、真摯に対応することが大切と思います。

(5)良さを損なわない
長いコンサルティング経験の中で、実は一番感じることは
「変革」の支援によって
その会社の良さまで消していないか、ということです。

変革の成果の半面、これまでの良さが消滅しては
功罪相半ばすることになってしまいます。

もっと踏み込んで言えば、
良さを失わないことの支援もまた
コンサルタントの重要な役割と思うのです。

コンサルタントは
「変革に向き合う存在」と言えます。

・変えようとしなくても、時代も人も実は変わっていく。
・その一方で、変わらないもの、変えにくいものも多い。

・変えなければよくならない、存続できない。
・しかし、変えることを目的にすると、
変えなくてもいいことまで変えてしまう。
・変えて成果が出たとしても、
先々どんな影響が表れるか分からない。

変革にはさまざまな側面があります。
変革は簡単ではありませんが、
そう言ってしまっては前には進めません。

「より良い方向へ変えることができる。」
という信念を持ちつつ、
力まず、自然体で行動する

変革を「組織学習」ととらえる
経験から素直に教訓を導き
地道に、愚直に、より良くしていく

ことが大切と感じています。


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変革への向き合い方は
別カテゴリーになりますが
「変革のツボ」で
ご紹介していく予定です。

「変革のツボ」は
変革の法則や原則、留意点等を
100項目に整理したものです。
経営幹部や次世代リーダー研修等で
扱っているテーマですが、
このnoteでは、
そのエッセンスをご紹介していく予定です。
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