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2.成功者が変革の抵抗者

「変革のツボ」とは、
会社や職場、自分自身など、
何かを変えようとする時の大事なポイント
=急所、法則、原則、留意点のことを指しています。

第1回では、
「変革には抵抗がつきもの」=抵抗を打破することが変革である
というお話をしました。

今回は
「成功者が変革の抵抗者」
というツボをご紹介します。

変革は現状を変えることですが、
今の仕事のやり方は伝票の様式一つを取っても
過去に誰かが考え出したものです。
しかし、誰なのか知らないことが多いですね。

仕事には名前がついていないのです。

変革は、どのようなものであっても、
過去を否定するという意味合いが含まれます。

ということは、
過去に作った当事者がいる場合、
変革はその人の業績を否定することになります。

自分が以前行ったことが否定されるのは
たとえより良くするためであっても、嫌なものです。
もちろん、気にしない人もいるでしょう。
ですが、ものすごく気にする人もいるでしょう。

自分の業績を否定されることを嫌うのは
過去の経験が大きな業績であるほど
素晴らしいほど
すなわち、成功者ほど大きい場合が多いと感じます。

身魂込めて取り組んで成し遂げたことは
その事柄と自分自身が一体となって感じられ
事柄の否定=自分の否定
と感じてしまうからでしょう。

新たな提案に対して、
・本当に効果があるのか?
・今のやり方でも何とかなるのでは?
・〜の角度からはまだ検討できていないだろう。
などの意見が出る時は、
「過去を否定したくない!」
「変えたくない!」
が真の気持ちである場合も多いのです。

さて、
変革のツボは
変革に関する考え方を言語化したものです。

その効用は、
「成功者が変革の抵抗者となる」
というツボを皆が知っていれば、
成功者も“過去を否定されたくない”
という自身の本音に気づいて
変革に対して冷静に対処しやすくなるからですし、
変革者もまた、
過去の業績に敬意を払い、
“より良くするための変革である”
という目的に真摯に向き合いやすくなることにあります。

過去の業績もまた、
さらに前の業績を否定した面があったはずであり、
物事を俯瞰して見れば
お互いに同じ立ち位置にいることが分かるというものです。

もう少し丁寧に言えば、
過去を否定し変革を行う姿勢こそ、
過去の成功者の真の後継者と言えるのです。

否定するのは
変革の意志や取り組んできた過程ではなく
その結果として選択された考え方や
生み出された仕組みや方法です。

変革者もこの点をよく考察し
変革しようとしている正体を見極める必要があります。
悪意や怠惰、無責任等、明らかな問題がない限り、
変革のターゲットは“人”ではありません。

さて、
以上のように冷静に整理しても
誰でも受け入れられるとは限りませんね。

その場合は、
自分が成し遂げたことから卒業して
後進に委ねてしまうのが良いでしょう。
自分は別の世界に進み、振り返らないのも
一つの進み方ではあります。

過去の成功にこだわり
闇雲な抵抗者になるよりは健全と言えます。

しかし、
「自分は変革者である」
という自覚があるならば、
自分が成し遂げたことが
時とともに否定されていく過程からも逃げずに
見届けることをおすすめします。

これは苦しみの原因になるかも知れませんが、
変革の本質を味わうことにつながります。

「変革のツボ」は約100項目あり、
管理職や変革リーダーにご紹介してきました。
皆さんが
・変革とは
・変革の急所(ツボ)
に興味を持っていただけると嬉しく思います。

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