見出し画像

【行政書士チャレンジ】 SES とはなんなのか

 そういえばここは、情シスとダイエットの話をする note だった気がする。そうだ、その手の話をしよう(1 日ぶり 2 回め)。

 いわゆる IT エンジニアの皆さんは「SES」という言葉を聞いてどう思うかというと…おや、早速顔をしかめている皆さんがいらっしゃいますね?

 やあ、わかりますわかります。

 SES といえば、エンジニアに人権はなく、客先常駐を強要され、違法な業務指示を受けながらプロパー(発注元の正社員くらいの意味合いです)からいじめ抜かれる…というイメージを持ってらっしゃるのでしょう。

 言葉というのは面白いもので、SES という言葉ひとつとっても、人それぞれがイメージするところは違うんです。「SES とはすなわち客先常駐で働くことである」とか「SES というのは人材派遣の一形態である」とかいう話を聞いた方もいるとは思います(どちらも不正解)。かてて加えて、日本の IT 業界のために SES は滅ぶべきなんて過激な論調もあったりしますね(笑

 言葉というのは面白いもので(2 回め)、その言葉がどういうことを意味するかを知らずに使うことって結構あるんですよね。SES とは System Engineering Service の略であることを知っている人はいても、結局それってなんなの??という基本を抑えずに、トンチンカンな批判してる方もおおいいなあという印象です。

 あなたの言う SES というのは、法律上何に当たるモノです?って聞くと「業務委託の1形態」って答える方がいます。委託ってなんでしたっけ。現時点で、「委託」という契約形態を示す法律の条文ってどこかにありましたっけ?

 なにかの作業を依頼し引き受けるとすれば、民法上は請負か委任しかありません。IT 系の開発作業という意味合いで言えば、請負か準委任しかないはずです。じゃあ、SES はそのうちどっちでしょうか?

 個別の契約内容によっても変わるでしょうが、一般的には「準委任契約」の「履行割合型」になるでしょう。これが一体どういう意味を持つのだろうかというところまで掘り下げていくと、いわゆる一般に批判される SES というものと、法律上で当てはまる SES はおそらく違って見えるはずです。

 客先常駐=SESではないし、
 顧客から直接支持を受けるのは違法であるし、
 自社で開発していても SES 契約である場合がある

 そのあたりを抑えないまま、SES こそが悪である、自社開発こそが最高である、だからそういう企業に転職したい……というのは、正直に言うと「やや乱暴ではないか?」と思うのです。キャリア相談(現在は私的には受け付けていません)をすればするほど、その想いは強くなります。

 転職をするにあたって「SES は不可」という条件を付している求職者の方も多く見受けられます。それ、きちんと意味をわかって言っていますか?イメージだけで物を語っていませんか?もしかしたら、あなたの可能性を無意味に制限してしまっているかもしれませんよ。

自分が何をしたくて、
何をしたくないのか。

 それを「SES は嫌だ」というよくわからない言葉に雑に集約してしまってはいませんか。もし、そうなら、SES とはそもそもなんなのか、自社開発という言葉の定義は自分がイメージしているものと合っているのかを一度確認いただけたらなと思う次第です。

 話がだいぶそれてしまいました。何を言いたいのかというと、言葉とイメージ、それを裏付ける法律という切り口。その3つを勘案してキャリアを設計していくというのも大事ですよというお話でした。


例題)あなたはいわゆる情シス(社内 SE、コーポレートエンジニア)として転職したいと考えています。給与や地域、働き方に関する希望がすべて通る「社内SE」 の求人を見つけました。希望の転職はできるでしょうか。

答え)業務内容をきちんと読みましょう。いわゆるコーポレートエンジニア職ではなく、「他社から受託した開発業務を社内でやるプログラマ」を社内 SE と称して募集する会社さんも実際にはいます

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?