【派遣法改正】2020年10月9日公示。2021年1月・4月から施行される6つの改正内容とは??
今回は2020年10月9日に官報で公示された6つの派遣法改正の内容についてご紹介します。動画でも解説しておりますので、YouTubeでも是非ご覧下さい。
※公示されたインターネット官報ページはこちら
また派遣法改正公示前の2020年7月14日・9月18日に労働政策審議会の傍聴に参加しましたので、そこで聞いた情報につきましてもお伝えします。
労働政策審議会とは…
労働政策審議会とは厚生労働省に置かれている審議会のひとつ。
厚生労働大臣等の諮問に応じて、労働政策に関する重要事項の調査審議を行う。
「労政審」と略称される。
※今回の派遣法改正の基となる審議を行った、第306回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会の資料ページはこちら
この記事の最後に派遣法改正に関連するキャリアアップ教育訓練をeラーニングで行う為のサービス【クロスラーニング】もご紹介致します!
派遣業界に関する新たな6つの法令 その1
【派遣労働者の雇入れ時の説明の義務付け】
1つ目の改正内容は【派遣労働者の雇入れ時の説明の義務付け】です。
内容としましては「派遣元事業主が実施する教育訓練や希望者に対して実施するキャリアコンサルティングの内容について、派遣労働者に対する雇入れ時の説明を義務付ける。」となります。
こちらの法令は2021年1月1日施行です。
更にこの法令の中に、
「派遣元事業主が講ずべき派遣労働者に対するキャリアアップ措置として、派遣元事業主は、派遣労働者として雇用しようとする労働者に対し、労働契約の締結時までに教育訓練計画を説明しなければならないこととすること。」
「また、派遣元事業主は、当該教育訓練計画に変更があった場合は、その雇用する派遣労働者に対し、速やかにこれを説明しなければならないこととすること。」
という内容もありました。
またこちらの法令の前提として、
「派遣元事業主における教育訓練の実施体制は整備されていると見られる一方で、派遣労働者の実際の受講状況は低い水準に止まっている。また、キャリアコンサルティングを受けた派遣労働者は少ないが、受けた場合は効果を感じられたとの意見が多く見られた。」とあり、派遣社員へのキャリア形成支援をより良いものにするための施策指針かと思われます。
この法改正により、雇入れ時に派遣労働者に対して教育訓練計画を説明するための別途書類の作成が必要になるかと考えられます。
教育訓練計画の説明が書面で行うことが必須となるかは現段階では分かりませんが、詳細な点については派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針の改正を待ちましょう!
派遣業界に関する新たな6つの法令 その2
【労働者派遣契約に係る事項の電磁的記録による作成について】
2つ目の改正内容は【労働者派遣契約に係る事項の電磁的記録による作成について】です。
内容としましては「労働者派遣契約の当事者は、施行規則第21条第3項に基づき、書面により作成することとされている労働者派遣契約について、電磁的記録により作成することも認めることとする。」となります。
こちらの法令は2021年3年1月1日施行です。
今までは「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則」の第21条第3項によって、労働者派遣契約を書面で取り交わすように省令で定められておりました。
ペーパーレス化が進む昨今、書面保存に係る事業者負担が大きいことから、電磁的方法による保存を認めることが適当と判断されました。
※文中の「施行規則第21条第3項」とは、
「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則」という規則の中の第21条第3項に「労働者派遣契約の当事者は、当該労働者派遣契約の締結に際し法第二十六条第一項の規定により定めた事項を、書面に記載しておかなければならない。」という項目を指しております。
派遣業界に関する新たな6つの法令 その3
【派遣先における派遣労働者からの苦情の処理について】
3つ目の改正内容は【派遣先における派遣労働者からの苦情の処理について】です。
内容としましては「派遣先における派遣労働者からの苦情の処理に当たっては、派遣先の労働組合法(昭和24年法律第174号)上の使用者性に関する既存の裁判例や中央労働委員会命令の内容に留意し、特に派遣先に課されている労働関係法令上の義務に関する苦情については誠実かつ主体的に対応すべきことを派遣先指針に明記する。」となります。
こちらの法令は2021年1月1日施行です。
こちらは現状の実態として派遣労働者の相談先について労政審の中で、大半が「派遣元事業主」であり、その次に「派遣先」が多いということでした。
今後、派遣労働者からの苦情を含む相談等については、派遣先にて誠実かつ主体的に対応すべきとなります。
派遣業界に関する新たな6つの法令 その4
【日雇派遣について】
4つ目の改正内容は【日雇派遣について】です。
内容としましては「日雇派遣において、労働者の責に帰すべき事由以外の事由によって労働者派遣契約の解除が行われた場合について、必要な雇用管理が適切に行われるようにするため、派遣元事業主は、新たな就業機会の確保ができない場合であっても、休業等により雇用の維持を図るとともに、休業手当の支払等の労働基準法等に基づく責任を果たすべきことを明確化する。
」となります。
こちらの法令は2021年1月1日施行です。
労政審資料の告示案要綱の文中には
「労働者派遣契約の解除に当たって講ずべき措置として、派遣元事業主は、
新たな就業機会の確保ができない場合は、まず休業等を行い、当該日雇派遣労働者の雇用の維持を図るようにするとともに、休業手当の支払等の労働基準法等に基づく責任を果たすこととすること。」とあります。
無断欠勤などの労働者の責に帰すべき事由以外で契約解除となった場合は、雇用機会の確保のために休業・休業手当の支払いなど派遣元事業主側で対応する必要があります。
派遣業界に関する新たな6つの法令 その5
【雇用安定措置に係る派遣労働者の希望の聴取等について】
5つ目の改正内容は【雇用安定措置に係る派遣労働者の希望の聴取等について】です。
内容としましては「派遣元事業主は、雇用安定措置を講ずるに当たっては、派遣労働者の希望する措置の内容を聴取しなければならないこととするとともに、その聴取結果を派遣元管理台帳に記載しなければならないこととする。」となります。
こちらの法令は2021年4月1日施行です。
この改正で、派遣労働者から雇用安定措置について希望する措置の内容をヒアリングし、そのヒアリング内容を派遣元管理台帳に記載しなければならないこととなります。
派遣業界に関する新たな6つの法令 その6
【マージン率等のインターネットでの情報提供について】
6つ目の改正内容は【マージン率等のインターネットでの情報提供について】です。
内容としましては「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律第23条第5項の規定により派遣元事業主による情報提供の義務がある全ての情報について、インターネットの利用その他の適切な方法により情報提供しなければならないこととする。」となります。
こちらの法令は2021年4月1日施行です。
この文中にある「派遣元事業主による情報提供の義務がある全ての情報」とは下記となります。
・労働者派遣事業を行う事業所ごとの当該事業に係る派遣労働者の数
・労働者派遣の役務の提供を受けた者の数
・派遣料金の額の平均額から派遣労働者の賃金の額の平均額を控除した額を、派遣料金の額の平均額で除して得た割合(=マージン率)
・教育訓練に関する事項その他当該労働者派遣事業の業務に関し、あらかじめ関係者に対して知らせることが適当であるものとして厚生労働省令で定める事項
以上が2020年10月9日に公布された新たな6つの法令です。
今回の法改正は、教育訓練計画の説明や雇用安定措置に係る派遣労働者の希望の聴取など派遣元事業主に関係する法令もあれば、苦情の処理のような派遣先も関係する法令もあり、派遣業界全体において影響のある内容かと思います。
なんだろう?こんな情報も労政審でありました!
法改正の内容ではないですが、2020年7月14日の労政審の中間整理の中で、「厚生労働省において、派遣労働者のキャリアアップにつながるような教育訓練やキャリアコンサルティングの好事例を調査収集し、派遣元事業主等に周知する。」とありました。
実際に調査収集・周知が行われるのか、またどのような形で厚労省から派遣元事業主様に周知をされるのかは不明ですが、労政審の議論の中でありましたのでお伝えしました。
教育訓練やキャリアコンサルティングの好事例を周知し、より上質なキャリア形成支援の共有とキャリア形成支援の意識向上の狙いがあると思われます。
法改正に伴って教育訓練環境も整えるべき!!
製造・物流に特化したキャリアアップ教育訓練eラーニングサービス【クロスラーニング】のご紹介
【クロスラーニング】は派遣会社様専用のキャリアアップ教育訓練eラーニングサービスとなっております。
集合研修とは異なり、キャリアアップ教育訓練を場所を選ばずに受講ができ、ネット上で受講管理ができるシステムです。
※クロスラーニング紹介サイトはこちら
クロスラーニングは下記の特長が御座います。
・製造・物流に特化したeラーニングであり、実際の工場で使われている機材・器具の画像・イラスト付きで学習しやすい「高品質な講座」
・英語・中国語・ポルトガル語・ベトナム語の講座をご用意しており、追加料金なく自由にお選びいただける「豊富な外国語講座」(一部製造・物流講座のみ対象)
・お手元にあるPowerPointの教材や社内研修資料をお送りいただき、eラーニングで受講できる「研修資料eラーニング化」
・スタッフの受講集計結果が事業報告書のフォーマットに沿った形で、それをExcel形式でダウンロードできる「事業報告書ダウンロード機能」
・事業計画書提出の際に添付できる各講座の詳細資料をご用意しており、1社1社のカリキュラムスケジュールに沿った講座詳細資料を作成する「提出用の講座詳細資料の作成」※ご契約企業様のみ対象
他にも、メッセージ機能付きの「アプリ」や、管理者様の工数削減に役立つ「チャットボット機能」など、様々な機能が充実しております!
今回の法改正の中に「教育訓練計画の説明の義務付け」がありましたが、クロスリンクでは段階的かつ体系的な教育訓練計画の作成をサポート致します!
(下の画像はカリキュラムの一例)
ご興味のある方は是非クロスラーニングサイトからお問い合わせ、またはお電話にてお問い合わせ下さい。
株式会社クロスリンク
神奈川県横浜市港北区新横浜2-5-15 新横浜センタービル2F
TEL:045-620-5088/FAX:045-620-5089
クロスラーニング 製造・物流派遣企業様向けe-ラーニング紹介サイト
https://crosslink.jp.net/crosslearning/
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
これからもHRチャンネルを宜しくお願い致します!