二宮和也ファンが解錠師を読んだ感想。
スティーヴン・ハミルトンの著書、解錠師
二宮オタホイホイと聞いて数年前に買って、今更ながら読み終わった。
捕まったところスタートだけど、少年犯罪やって捕まる流れは時計じかけのオレンジ的な青春小説みを感じるけど、どちらかというとそれに比べれば爽やかな話で、恋愛模様も美しいものだったり。
解錠師として活躍してる時、まだ解錠師になる前の話が交互に書かれているのだが、解錠師として絶賛活躍中の時にアメリアに会いに行くところとなぜ解錠師やることになったか、その時の話がちょうど同じくらいに読者に提供されてて、構成上手いなと思った。あと、アメリアに恋をしたところとルーシーの話も上手い具合に交錯してて読みやすい。そういう意味でも青少年向けな本で、そういう多感な時期に読んでたらどハマりしちゃいそう。まぁ二宮オタ的にはいつ読んだところでどハマりでしたが。
二宮さんからは、例の映画のせいもあって青い炎を感じるのだが、マルクルも、喋らない無口だからこそ、情熱的な赤よりは内に秘めたる熱いもの青い炎が見えるなと思った。彼は若くして犯罪者になってしまったが、その感じも櫛森少年になんか似ている。大人になって、なぜあんなとこでムキになってたり意地はっていたんだろう(例えば共犯者のことは絶対に言わないなど、結果的にその口の硬さが彼の良さみたくなってたけれども)と、譲れない信念というものは、大人になって物事を合理的に考えるようになってからは出来ない行動で、とにかくそういうものを二宮さんは演じるのが得意だから、翻訳者はマルクルに重ねたのかもしれない。