君の美しい言葉 vol.6

私は新藤晴一から紡がれる美しい言葉たちが好きだ。

もちろん、「はっ」とさせられたり、「確かにな、私も頑張ろう」などのメッセージがある言葉も沢山もらっているのだが、ただ単にこの日本語美しいなという言葉も沢山もらっているわけで、今回は私が好きな晴一さんの日本語を一部紹介する。


Go Steady Go!
あまり曲調はそこまで好きじゃなくて、飛ばしがちな曲なのだが、歌詞を見ると、結構好きな日本語が溢れている。
まず初っ端からこの歌詞でやられる。

世界はいつからこんな 小さくなってしまったんだ?

そもそもこの『Go Steady Go!』ってどういう意味なんだろうか。
Steadyって『安定した』『着実』『不変(定まった)』っていう意味だけど、なんかそういうことじゃない気がする。
ではなんだろう。
これに近い言葉に『Ready Steady Go!』がある。これを意訳すると『位置について、ヨーイ、ドン!』なんだけど。もしこの言葉が関係しているなら。
位置につかずに、『行け!ヨーイ!ドン!』ってことかな。
こっちの方がしっくりくるな。
『君は君のペースで着実に進んでいけば良いんだよ』ってことか。

君はよく白い羽が欲しいと言う
けど背中に そんなものがあると邪魔だよ
ふたり揃って仰向けに寝転んで こぼれる星空眺められないし
後ろから そっと抱きしめられない
君はまだ 名前よりも確かに
自分の事 示す言葉 探しているの?
「臆病」だとか「無鉄砲」だとか「強い」や「弱い」や「でも頑張る」とか
ほんとたくさんを 混ぜ合わせなきゃね

うん、『君は君のままで』ってことだね。
それをこのAメロBメロの歌詞で表している。表現力凄い。まさか白い羽が出てくるとは思わないじゃん。『確かに!仰向け無理だし後ろから抱きしめられないなすげ』って最初は思った。



この曲はこの一言に尽きるよ

人は儚いものに なぜかこんな惹かれ続けてしまう

なんででしょうね。


ワールド☆サタデーグラフティ
これ全体的に雨の日の土曜日、ネオン輝く夜の東京で聞きたい曲だし、歌詞が共感でしかないけど、特に好きな日本語があるわけではない。でも凄く共感できる歌詞とだけは本当に声を大にして言いたい。以上です。


蝙蝠
これは本当に、全部載っけてしまいたいくらい日本語が好き。
比喩オンパレード最高。

綺麗な色も何度か 重ねていけばいつか
哀しい黒色になる 諦めたように

哀しい黒色て、諦めたようにはぁ・・・

あなたの瞳はつまり そういう類のもので
誰をも寄せ付けないで 記憶を隠していた

そういう類(綺麗な色重ねすぎ=いろんな経験してきて、哀しい黒色=現実に絶望した諦めの)瞳をしていたあなた。もう傷つかないように誰をも寄せ付けない。

細い雨が ただあなたへと
降り続くなら 洗い流せればねぇ…

慰められたら良いのになー自分ー的な

忘れた昨日も 許せない今日も 明日も未来も いらないなんて
完全な白の脆さを知って 完全な黒の深さ知って 動けないでいる

『完全な白の脆さを知って完全な黒の深さ知って』はもうやばいですよ。
日本語が好きすぎるんだよここ。

人はいつも涙で 不実な色を落すよ
それは風が雨雲を 振り払うように

比喩を比喩で説明するってどうゆうことだよおい!

なのに雨は またあなたへと
とめどなく 突き刺さっていく

さっき「雨で洗い流せればね」ゆうてたやん。
涙でしか洗い流せないってこと。人から与えられるものでは無理なものことなのかな。

忘れた昨日も 許せない今日も 明日も未来も 何もかもを
一つも残さず 受け止めてあげたい 黒ならば黒で愛そう
触れてもいいかな?

黒ならば黒で愛そうだと・・・なんだこの優秀なイメソンは。絶対古の腐女子これイメソンにしてるだろ。

僕らは今更 白い鳥じゃない 身を寄せ合う蝙蝠でいい
密やかに空を じゃれあい泳ぐ 誰をも寄せ付けないままに
感じていたい

これ普通に人対人の曲だと思うんですけど。私そう言う経験がないので、
自分のなかの負の感情すら抱えて生きていくしかないっていう。なんかそう言う超暗い曲に聞こえなくもないんですよね。
もしこれが人対人の曲だったら、他人から見たら『あいつら大丈夫か?』と見られるタイプの、でも本人たちは至ってハッピーエンドな曲だと思うんですが、どうしてもこの曲をハッピーエンドにしたくない私です。
というか結局全部のっけてしまった。
意味はいいんです。
何度でも写経したい日本語なんです。