書店バイトの勧メ

この4日間、ショートショート作品をかなり分割して投稿した。
→ 1話2話3話番外編
もちろん、一気にドーンと投稿しても良かったのだが、「人にはいろいろ事情がある」
ちょっと毎日投稿が厳しかったのでこういう形になった。

この作品を書いたのは3.4年前だったろうか、当時書店でバイトをしていたのだが、その時の実体験が少し入っている。
書店のバイトは正直言って今やってる仕事より自分に合っていたと今更ながら思っている。

ということで連載終了記念として、散々フィクションで書いたけど、実際の書店でのことを書いていこう。

書店バイト、とにかく本好きなら働いてみると本当に楽しいと思う。
新刊情報とか人よりも先にわかること、出版社の営業とちょっと知り合いになれる、時々作者さんがきてくれる(以前顔出しNGのとある作者さんがサインを書きにわざわざ訪れてくれたこともあった)、余った付録を貰えたり、得した気分になれる。
書店業務のおかげで全く興味のない本のジャンルや雑誌に詳しくもなった。雑誌は、新刊が出るたびに前号を抜かなければならないので、自然に名前とどんなジャンルの雑誌なのか、発売日がいつなのかを今でもほんのり覚えている。本も、私は基本的に文庫本や新書、小説を買うために書店を訪れていたので、それ以外の実用書を多く知る良いきっかけとなった。

何より、結構意外に思われるかもしれないが、今の流行を知れるのは間違いなく書店だったなと思う。
一般の方が知るよりも少し前から、これから売れる本や、流行るジャンルの本、流行る人の本は流行る前から売り上げは密かにどんどん上がっていったので、バイト先で今の流行りを知ったといっても過言ではない。
あとよくあったのが、「昨日テレビでやってた本」を聞かれること。そういった本はもちろん売り上げがその日を機に右肩上がりし、ベストセラーになっていった。もうテレビはオワコンかと思われたが、未だテレビでの紹介はモノにとって絶大な影響があるんだなと思った。
トイレ掃除、大量の本が入った段ボールを運ぶ、乾燥する時期はしょっちゅう本で手を切る、お客さんの対応など大変な仕事が多いのに給料は最低賃金という学生にとってデメリットが多い職場ではあるが、それ以上に身になる職場だったなと思う。

書店は減少の一途を辿っているが、売れる本にはその時の世相を表していたし、売れる本が世の中の今を映し出す、流行の先端であることに変わりはないのかもしれない。