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惑っている間にひとつ季節を落としてしまっても - 作詞

"M3-2024春"にて頒布された、Stellar Trillsさんのアルバム『春の足音』
※アイキャッチ画像は、アルバムのジャケ写をお借りしています。

アルバム内5曲目の歌詞をご依頼いただきました。
貴重な機会をありがとうございます!


初めてデモを再生するときのドキドキ

デモ音源を初めて聴いた時の感想は、「わぁ、繊細!」でした。

控えめだけど意思を感じる、なんだか切ないのに温かい旋律から、
葛藤しながらも自分の気持ちを見つけて一歩踏み出すまでの気持ちの揺らぎを書きたいな、と思って筆を執りました。

作曲者のジョンくんから依頼をいただくのは2回目だったのですが、前回も今回も、物語を感じられる曲を作れるのが素敵だなと思います。

具体的な何か、は想像の範囲を超えないし、もしかしたら狙ったなにかは無いのかもしれないけど、聴き手としては起承転結を感じて妄想が捗る、というか、情景が浮かぶ、というか。
感情が揺らぐ中にも芯がある感じ。

作曲のセオリーがあるのか無意識なのかは本人に聞いてみないとわからないけど、聴いた人に何かを感じさせる旋律を生み出せるって凄いよね。
いずれは本人にあれこれインタビューしてみたいなぁ( ˘꒳˘ ) 𓈒𓂂𓏸

今回のテーマは……

今回のテーマは春と聞いて、
情景を宿すために季語に力を借りました🌸

季語って、短い単語なのに、込められている想いや風景の情報量がすごい、と改めて実感。

一度、肉眼で、桜隠しを見てみたいな。

好きポイント(厳選)

・左から聴こえる語りかけるようなアコギに、Bメロから入ってくるエレキが重なる瞬間の焦燥感

・とにかく優しい、1番Bメロの「小さなおまじない」の歌い方

記事の最後に、クロスフェード動画を載せるので、少なくともこの2点はぜひご確認いただきたい……!

『春色モルガナイト』

移ろう季節に 見つけた星の欠片
初めての高鳴りに はためくシャツの裾

同じ時を感じて まわり道を選んだ
儚さに抗う 小さなおまじない

花冷えが背中を押して 手を取ったあの日
淡いピンクに染まったベリルに まだ気付かないふりをしていた

初桜が舞って今 溢れ出したメロディ
麗らかな風になって リズムを刻むよ
つま先を浮かせて 振り向いた君の瞳
僕が映る意味を考えては目をそらす

何気ない毎日に 色付く花の色の
コントラストの意味を 僕は知らなかった

煌めいた光 反射が照らすわずかな陰り
手はポケットに仕舞い 騒ぐ瞳に 熱は置いたまま

季節外れの粉雪 頬伝い零れる
忘れていた冷たさが じんわり滲みる
僕が顔を上げたら 君の口元が緩む
見失ったはずの温かさを探している いつでも

深呼吸をして 1秒 目を閉じた世界
香る 春風が攫う 掴んだ気がしたはずの音階 桜隠し

休符の白を 息を弾ませ 瞳合わせて
塗りつぶすような気持ちで 隣を歩きたい 明日も

初桜が散って今 重なっていくメロディ
少しずつ生まれていく 優しいハーモニー
瞬きは怖くない 春日傘 ひとつだけ
いつもの笑顔を噛み締め 奏でる惜春

歌 :汐香
作曲:ジョン
作詞:りーぬ

おわりに

たとえ、惑っている間にひとつ季節を落としてしまっても、惜しみながら、次の季節をあなたと迎えたい。

……惜春ロックって素敵なキャッチフレーズを考えてくれたのは、誰なのだろう。センスしかない。

素敵な機会をくれた、
Stellar Trillsさんに感謝を込めて。

クロスフェード動画、観てね!♡

2曲目の『乙女椿に春月夜』ボーカルのういちゃんのサビの歌い上げ方がとても好き。そしてギターのリフに滾る……!
ういちゃんと和ロック、相性良すぎないですか!?

あと、3曲目のきんいろなでしこ。
ゆきちゃんとこのみさんのツインボーカルの掛け合いに始まり、サビのハモリでわくわくが高まる!
サビ終わりの間奏のフレーズがかっこよくてバイオリンで弾いてみたくなっちゃった( ᵔ֊ᵔ )

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