ドット絵メイキング『白桃』
もしも自分が政治に関わることがあったら、フルーツ大臣をめざしたい。フルーツ庁を作り、フルーツ省への格上げに尽力し、やがて予算をGDPの2%に……なんてイカレた妄想を楽しむフルーツ大好き☆誰得ドット絵芸人さんです! え、身勝手な願望を政治に反映しようとするのは良くない? うんうん、ほんとロクでもないと思います!
さて今回のドット絵メイキングは『白桃』です。140字小説の練習で『桃太郎』を短縮してみた記事で、タイトル画像に使ったものでした。
ただ、よくイラスト化される桃って、先端が尖ったものじゃないですか。でもあの尖った桃、実物を見たことないんですよ。
調べてみたら案の定、中国原産である元々の桃があの尖った形状だったとのこと。日本に流通していた桃も昔は尖った桃が普通だったようで、現在の丸い桃は明治時代にやってきた"上海水蜜桃"という桃からの派生品種で、この"上海水蜜桃"が尖っていない形状だったというわけです。
このあたりの由来や経緯については、農学生"はたんきょー"さんが書かれているnoteがあるので、詳しく知りたい方はそちらをご覧ください!
というわけで『桃太郎』に因んで丸い桃を描くこと自体、そもそもダメダメでした。創作に役立つ用語辞典のネタにすべきだったかな……。
と、思いきや。現在よく知られる丸い『白桃』は、岡山県で見つかったものとのこと。岡山県と言えば桃太郎の舞台として知られているわけで、実は桃太郎は白桃から……なんて期待しましたが、そんなことはありませんでした。見つかったの、明治32年だそうですからね。
しかも桃太郎発祥の地は、香川県など他の地域であるとの説もあり「桃太郎と言えば岡山」みたいなイメージは、1960年以降の岡山県によるキャンペーンによって定着したもののようです(ただしWikipedia調べ)。
なんだか、経済至上主義と歴史修正主義の匂いが立ち込めてまいりました。これに触れていると話が長くなるので、昔話はこのへんにしておきましょうか。
イラストとしての桃は「尖らせたい」
桃に限らず、リンゴなども含めてフルーツをそれらしく描くのはとても難しく、"尖っている"といった特徴があれば、それを見過ごす手はありません。本来は。ただドット絵は情報量が少ないので、どうしたって抽象的になって、逆に『バーミヤン』になっちゃうとイヤだなと(苦笑)
そんなことを考えつつ、作業を進めます。
1. かわりにお尻を強調
桃の特徴のうち"尖り"をわざわざ放棄した今、すがれるのはお尻を桃に、桃をお尻に例える谷間だけ。谷間の線を強調しつつ全体の形状を整えます。バランスをとるため、この時点で葉っぱもつけます。
2. 塗り…に失敗
あとは塗るだけ……なのですが、桃の形状の資料として見ていた写真がかなり赤かったこともあり、あまり"桃感"を出せず。割れ目を強調したところで、これだけ赤いとパッと見でリンゴと誤解してしまいます。あと、率直に言うと「不味そう」。
3. 黄色味を強調して塗り直し
というわけで、塗り直しです。黄色味のある白色部分を広めにすることで、身の白さが透けている感じ、フレッシュ感を出します。一方、沈着したような赤色部分は主に上の方に狭めに寄せます。
このとき白から赤へのグラデーションを均等にしすぎると、全体がモヤっとした感じになって色分けの意味がなくなってしまいます。なので、中間色はあまり広めに使わないように注意して、白と赤のコントラストを維持します。
なお果物は熟れて甘みが出ると下の方に寄る(溜まる)というので、他の果物も下部に"甘さを示す色"を集めることを意識するといいかもしれません。子どもの頃にブドウ狩りに行ったときに聞いただけの説なので、どこまで汎用性があるのかわかりませんけどね。あ。もちろん、木になっているときの"下の方"ですよ。『バーミヤン』みたいに上下をひっくり返すと、わかりにくくなるかもしれませんね。
4. 形状を調整して完成
下の方が"どっしり"した感じがあったので、少し"ほっそり"させました。またリンゴに寄った気がしなくもないですが、これで完成です。
うーん。やっぱり、ほっそりさせる前の方が良かったかな~と思わなくもないですが、仕方ありません。
ドット絵は1ドットの差で大きく印象が変わるので、うまく間をとれずに迷い、悩むことがよくあります。修正を繰り返しているだけでは良い結論にたどり着けないので、次をがんばるしかないですね。未来志向で、やっていきたいところです!
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