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[BGA攻略]アズール(Azul)の攻略 その1

(※本記事はアナログゲームマガジン1月号の記事となります。)

 ボードゲーム攻略班のど~けしです。
 攻略記事9回目はアズール(Azul)の紹介をします。

 現在BGAの1番人気のゲームとなります。2番人気のカルカソンヌの1.5倍のプレイヤーが遊ばれております。主に中国、北欧のプレイヤーが多く世界各地の国に偏りなく遊ばれています。

 アズールは主にプレイ人数が2人か4人で遊ばれますが、今回は2人用の攻略について説明していきます。

 カタン、カルカソンヌ、ドミニオン、宝石の煌き、アグリコラと色々なボードゲームが存在しています。これらのゲームは進捗が進むにつれて手番に取れる選択肢が多岐に広がる内容となっています。アズールはこれらのボードゲームと比べて序盤の自由度が高く、ゲームの進捗が進むにつれて手番に取れる選択肢が減少し収束する内容となります。そのためゲーム序盤で行動する選択肢が難しいゲームとなります。

●アズールってどんなゲーム

 16世紀ポルトガルではアズレージョという色彩様々なペイント式のタイルを教会や修道院などの建築物の装飾として使用していました。

 あなたは職人としてエヴォラ宮殿の壁を完成させることが任されています。タイルを図案に沿ってきちんと壁にはめ込み、タイルを床に落とさず完成させるゲームです。

 面白さのアタリハズレの振れ幅にブレが少なく手堅く面白いゲームを出し続けている有名デザイナーの『クラマー&キースリング』のミハエル・キースリンク個人の作品になります。過去作を見てもタイルゲームの割合が多い気がします。

参加人数 2〜4人
遊戯時間 人数 × 10分 
難易度  🐳 🐳
作者   ミハエル・キースリンク
代表作  リバーボート、サンスーシ
賞    2018年ドイツ年間ゲーム大賞
     2018年ドイツゲーム賞

●説明

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◆今回使う用語
本記事にて下記の用語を使用して説明します。
・X列目
 壁の縦ラインの番号(左から右へ昇順)
・X段目
 壁の横ラインの番号(上から下へ昇順)
・上段ライン
 壁の1、2、3段目の横ラインで活躍する段
・下段ライン
 壁の4、5段目の縦ラインで活躍する段
・ホームポジション
 壁に1番最初に建築する縦ライン

●勝利するためには何点ぐらい必要なのか

 本ゲームは2人用に限り異例なゲームになるのですが、勝利するまでに獲得する得点が20~140点ぐらいまであり、ロースコアとハイスコアの振れ幅がかなりかけ離れています。特にトッププレイヤー同士になればなるほど勝利時の点数がロースコア対決になる傾向にあります。

●基本的な攻略イメージ

 沢山のタイルを獲得してボードを多く埋めたら有利なゲームだと1番最初に考えると思います。そのため如何にタイルを集めるべきかに意識が行きがちになります。しかし大事なことはタイルを埋める順番に意識を使うゲームとなります。
 今回は下記3つのプレイスタイルの『建築優先型』についてスポットを当てて記述していきます。
◆3つのプレイスタイル
 本ゲームでは大体3つのプレイスタイルに収束します。

・建築優先型
 ホームポジションを作成して左右に展開して基本点を大量に獲得するプレイスタイルです。2人戦でも4人戦でも活躍するタイプです。
 運に左右されにくい安定した戦い方です。

・工房優先型
 工房展示ボードから沢山タイルを獲得することを重視してボーナス点を大量に獲得するプレイスタイルです。主に4人戦で活躍するタイプです。
 袋からランダムで出されたタイルの爆発力があると猛威を振るいます。

・妨害優先型
 対戦相手がボーナス点を取りにくいように防ぎながら失点を大量に送り付けるプレイスタイルです。主に2人戦で活躍するタイプです。
 コントロール色が強く得点管理やプレイの仕方に繊細さを求められます。

●得点を可視化する

 アズールの攻略の重要ポイントとして逐次ゲーム中に得点計算をするのが難しいところにあります。どの色のタイルがどの程度の価値があるか常に可変するため、常に全てのタイルの事を考えていてはゲームに集中ができません。

 イメージまでで良いので、パッと見でどのぐらい得点が入るのかを理解する必要があります。下記イメージ図に『左詰め』で順番にタイルを獲得した時の点数を記します。(同色ボーナスについて混ぜると混乱してしまうので割愛しております。)

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・黒文字:1~4点
・赤文字:5~9点
・紫文字:10点以上
・青文字:失点

 紫文字で書かれた箇所を埋める事は重要ですが、コンスタントに赤文字で書かれた箇所を集めることは勝利に繋げやすいです。


 上記イメージ図では『左詰め』でタイルを確保したときの得点について表記しました。
 それでは次はタイルの置く順番が順不同で横ライン、縦ラインが完成時に目では見えない失点についてにイメージ図を記します。記載されている数字はタイルを埋める順番です。

 ◆1失点するタイルの取り方

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 ◆2失点するタイルの取り方

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 ◆3失点するタイルの取り方

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 ◆4失点するタイルの取り方

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 タイルの取る順番で最大4点ですが差をつけることが出来ます。全ての列や段で不揃いに得点を取ると大きな失点になるため油断は出来ません。

 下記イメージ図はゲーム終了時の完成イメージですがタイルを置く順番によってどのぐらい点数差がつくのか悪い建築の仕方良い建築の仕方をシミュレーションしてみました。
 ◆ゲーム終了時の完成イメージ

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 ・悪い建築の仕方(75点)のプレイ過程

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 ・良い建築の仕方(94点)のプレイ過程

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 上記イメージ図から分かるようにタイルの置き方によって19点も点数差がついてしまいました。縦や横のラインを完成させるより得点が多いため、このゲームで一番気を遣うポイントとなります。縦や横のラインを完成させなくても75点に勝利するイメージを以下に記します。

 ◆縦のラインを完成させないプレイ結果(78点)

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 ◆横のラインを完成させないプレイ結果(77点)

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●ホームポジションの価値と有利な立ち位置

 このゲームは一見すると盤面の価値に差が少ないのっぺらな環境に見えますが有利不利の傾斜が存在しています。実際の得点へとは絡みませんが、ホームポジションの建築位置によりゲーム中盤に向けてタイル獲得の難易度が上がります。

 また対戦相手とのホームポジションの相対位置によっても価値が変わり、対戦相手よりも左のラインを確保すると自分の建築と妨害が両立して行えるため非常に優秀です。

 ◆3列目をホームポジションにする

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難易度:Easy
 先手番側で人気があり最もスタンダードなポジションで選択肢の幅がとても広く、対応手段が豊富です。


 ◆2列目をホームポジションにする

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難易度:Normal
 後手番側で一番人気なポジションになります。先手側へのカウンターとして優秀に機能します。
 2ラウンド目で1列目のタイルを大量獲得してしまうとゲーム中盤の選択肢が減るため、右側のラインへ寄りながら建築をしていくことになります。

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