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私ってバカだから、好きな人にキライって言っちゃうのよねえ

小学校6年生の同窓会がすし屋の2階で行われた。
クラスの3分の2が集まった。
20年ぶりの同窓会はいろいろな人生がてんこ盛りで面白い。
高校生の息子がいるヤツ。
まだ独身のヤツ。
4人目だと大きなお腹を抱えるヤツ。
人生さまざま。
「ボランティアが生きがいです」
と言う90歳になられた先生も来てくれた。
少し遅れて、イヤなヤツが来た。
彼女とは、幼稚園からずーと同じクラスだった。
腐れ縁と言うヤツだろう。
席もいつも隣か後ろだった。
遠足の時に手をつなぐと
「あなたと手をつなぐと汚くなるから・・・」
と言われたし、
授業中には後ろから鉛筆の芯で背中を突つかれたりもした。
「なんで、そんなことするんや」
と怒ると、
「キライやから・・・」
と彼女は憎たらしい顔で言った。
どうやら女優になる夢破れて未婚の母になったらしく、
いろいろ面白い話をしてくれた。
久しぶりに飲んだらしく、かなり酔った彼女は私の隣りに座り、
「私ってバカだから・・・なりたくて未婚の母になったんじゃないのよ」
「うん。分かる・・分かる・・」
と適当に話を合わしている私に彼女は
「好きな人にキライって言っちゃうのよねえ」
と視線を流した。


 そうそう、このことで思い出したのは、小学校6年生の時確かプールの時間だった。ボケとしていた私の前にスクール水着の彼女が立った。彼女は早熟だったから、もう結構、胸も大きかったと思う。何も言わずにじっと立っていた。まだまだ子供だった。私だが、ただならぬ気を感じたことがあった。それを証拠に何度かこのシーンが小学校6年生の私の夢にフラッシュバックした。なぜだか、当時の私にはわからなかった。

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