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【ベイツ大学留学】大変さを乗り越えて怖いものなしになった冬学期

季節外れの冬学期振り返り

春も通り過ぎて、もう夏に差し掛かっている5月末。noteを更新する暇がないほどの冬学期と、楽しすぎてラップトップさえ開きたくないショートタームを経て、数日前に日本に帰国しました。留学全体を総括するにはもう少し時間がかかりそうなので、その前に半年くらいずっとご無沙汰していた、ベイツでの生活をまた少しずつ更新していきたいと思います。すでに懐かしいな、メインとベイツの友人が恋しいな…

冬学期の半ばに書いた時間割の記事はこちら。

今回は冬学期を終えて、これらの授業がどうだったか振り返っていきたいと思います。

Freedom of Speech, a Modern History(表現の自由と近代史)- History

冬学期、なぜこんなにも時間がなかったかと言えば、すべてはこのクラスが原因です。このクラスは300番台でレベルが高いうえに、クラスメイトは3年生4年生ばかり。毎回ハードなリーディングに加えて、リサーチやグループワーク、プレゼンなどがコンスタントにありました。それに加えて、primary source paperやliterature reviewなどライティングの課題もありました。

歴史学の授業ということもあり、1次資料や2次文献が見つからないことには何も始まりません。そして、それらを読んで理解しないと、自分が書かなければいけない課題に落とし込めないのです。この探して、読んで、理解するというプロセスを英語で行うのが、留学後半戦であっても苦戦しました。ものすごく時間がかかるのです。しかも、古い資料は新聞記事の画像だったりするので読みづらく、使っている英語が難しかったり、DeepLが使えなかったりして、本当に自分の力のみで読んでいくほかありませんでした。

一つ終わっても、次がすでに待ち構えていて、冬学期を通してこの授業の課題をやらなかった日はなかったと言っても過言ではありません。それだけやっていても、提出が間に合わないこともしばしば…。頻繁にオフィスアワーに行って授業のキャッチアップをしたり、課題をどう進めていけばいいかを相談していました。「締め切り気にしないで、あなたの準備ができたら提出してね」と言ってくれたプロフェッサーのおかげで、なんとか期末レポートまで書ききることができました。

そんな期末レポートのタイトルは「Right of Free Speech in the Japanese Constitution and Democracy」。日本の憲法における言論の自由と民主主義について、アメリカの影響を踏まえながら考察しました。我ながら、面白いテーマと結論に至ったと思います!

ちなみに、これはベイツだけに限らないかもしれないのですが、アメリカではここまではできる、ここからは難しい、もう少し時間が欲しい、ということなどプロフェッサーと交渉して締め切りを伸ばしてもらえることがよくあります。ちゃんと相談すれば、締め切りが過ぎてしまってもきちんと内容を評価してもらえます。分からない、難しい、助けてほしい、は言ってみるものです

Race, Gender, and International Cinema(人種、ジェンダーとインターナショナルシネマ)- Film Studies

先学期に引き続きフィルムスタディーズのクラスです。毎週インターナショナル映画(つまりアメリカ以外の国の映画)を観ます。フランス、イタリア、ブラジル、イラン、インド、サウジアラビア、香港、韓国などの映画を観ました。日本の映画で取り上げられたのは、世界のクロサワ、『羅生門』。黒澤作品を観るのは実はこれが初めてでした。

この授業は、各国の映画がどのように互いに影響を受けているかを縦軸、映画の中で人種やジェンダーの問題がどのように描かれているかを横軸としながら進んで行きました。

また、映像や音響など、演出のテクニカルな部分も少し学ぶことができて面白かったです。

このクラスで見た映画の中でのお気に入りはフランスの『5時から7時までのクレオ』とサウジアラビアの『少女は自転車に乗って』です。気になる方は見てみてくださいね。

Performing Musical Theater(ミュージカル) - Music/Theater

こちらも先学期に引き続いてシアターの授業です。学期の前半は、ミュージカル(主にブロードウェイ)の歴史や種類、表現の方法について学びました。後半は、学期の最後にあるパフォーマンスに向けてのリハーサルでした。知識と実践、両方の面から私が好きなミュージカルを学ぶことができて楽しかったです。

ファイナルパフォーマンスの様子はこちら。

Advanced Chinese (上級中国語)- Chinese

秋学期は中国語の200番台のクラスを取っていたのですが、冬は一番高いレベルのクラスに移動しました。クラスメイトは6人で、授業の内容も楽器を通して中国のドラマを観てディスカッションするという何とも実践的な内容です。とはいえ、週に2,3話ドラマを観ればいいので、正直一番チルなクラスで楽しかったです。

1年間アメリカで中国語の授業を受けて感じたのは、漢字というアドバンテージがないのに4年間でここまで中国語を理解できるようになるアメリカの学生すごい…ということです。特にこの400番台のクラスは、アジア系の子が私以外にもう一人しかおらず、ほかは完全に欧米文化圏で育ってきた人たちでした。本当にすごい…。

秋学期、冬学期とも同じ老師にお世話になりました。オフィスにおしゃべりしに行ったり、手作り餃子をご馳走してもらったり。パワフルな中国のおばちゃん!という感じの老師が大好きでした。

最後の授業の後、老師とクラスメイトのみんなで食べたテーブルいっぱいの中華料理

大事なのは英語より思考力

加えて冬学期を通して感じたのは、アカデミックな力が英語力の足りない部分を大きく補ってくれるということです。留学において英語力はもちろん大事ですが、それを上回るのはどう考え、どう批判するかという思考です。日本語で考えてモヤっとしていることは英語でも書くことはできません。自分の考えを、日本語でロジカルにアカデミックに主張できれば、あとはそれを英語にしていくだけなのです。この「どう考え、どう批判するかという思考」は、今までの大学生活で培ってきたものでもあるし、ベイツでさらに鍛え上げられました。

冬学期は間違ってももう二度とやりたくはないほど大変でした。でも、興味があること(ジャーナリズム)、好きなこと(映画、ミュージカル)、頑張りたいこと(中国語)すべてに全力投球して、やり切ったという自信があります。日本に帰国後、卒論を書かないといけないのですが、この冬学期を乗り越えたので怖いものなし!という気持ちです(卒業できるようにがんばるぞ…)。

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