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【資格】測量士(補) その1 どんな資格か。




1 どんな資格か

測量法に基づく国家資格である。技術者として基本測量又は公共測量に従事するためには、登録された測量士・測量士補でなければならない(48条)。なお、測量士は測量に関する計画を作製・実施し、測量士補は測量士の作製した計画に従い測量に従事する。僕は測量士補を取得した。

2 自治体における取得のメリット

(1)技術系に進む

自治体が自前で測量することもあるだろうから、資格を取得する意味は十分にある。また自治体は、道路や公共施設の建設を行うが、当然ながら自前で工事できないので専門業者に委託する。この際すべて丸投げするということはない。建設などの担当の自治体職員には専門的な知識が必要であり、専門知識や資格を有する「技師」が担当する。稀に行政職で採用されたにもかかわらず、そういう部署を多く経験し見様見真似で設計・監理を行う職員も存在するが、公務員界隈では「詐技師」と冗談めかして言う。一般に技師で専門的に出世していくのは1級建築士だが、測量士・測量士補でも、こういう方面に進むための1つの足掛かりになるだろうと思う。

(2)検査系に進む。検査に強くなる。

自治体の契約・支払の流れを確認しよう。たとえば、建設工事を委託した場合、工事が完成すると長から会計管理者へ工事代金の支払命令を行うが(自治法232条の4)、これに先立ち、職員による事業履行の検査を行う必要がある(同234条の2)。この検査については、自治体の財務規則や契約規則に関連規定が置かれている。ここに「検査」、特に建設工事のような事業の検査は専門知識(資格)が不可欠である。

仮に「プロの業者にお任せしているから大丈夫」と思っていて、万一、構造計算とかに不正があって工事のやり直しになったら大変だ。その工事の増加経費は公金(原資は税金)であり責任追求もあり得る。漫然と検査をOKした職員が無問責とは思えまい。という訳で、検査担当課には専門知識を持った職員が配置されることが多く、この意味で測量士・測量士補の活かし方としては(1)と同じ結論になるだろう。

あるいは、検査担当課で専門家にならないまでも、測量士(補)の資格があれば、各課で発注した簡易な工事の検査を適正に行うことに資する部分があるだろう。

(3)年齢に関係なく予備自衛官になれる。

公務員が年齢を感じるタイミングはいくつかある。例えば、自分の役所の採用上限を超えたとき、または自衛隊募集広報を見てその上限を超えたときである。予備自衛官の採用上限は34歳であり、広報をを見ると一抹の淋しさを禁じ得ない。この点、測量士・測量士は、年齢に関係なく予備自衛官(建設技能)となることができる。加齢により制度から排された者にとって、これは吉報である。なお、測量が何故このように扱われるかといえば、測量とは弾道計算が縁深い点に起因するだろう。兵科でいう砲術士官は測量に長けている必要がある。計算と砲術。一般相対性理論の特殊解を計算した砲術士官シュバルツシルトが想起されよう。

(4)土地家屋調査士の試験が一部免除になる。

これが僕が測量士補を受験した唯一にして最大の要因である。この資格があると、ガテン系法律職の土地家屋調査士の試験が一部免除になる。抜け穴でも何でもなく、調査士受験界ではスタンダードなルートらしい。調査士は、いつか受験するかも知れないので、一応測量士補を取得した次第だ。

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