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エヴァの呪縛から解かれて2年

コロナウイルスで延期に延期を重ね、2年前の3月8日。
とうとうエヴァの呪縛が解かれる日がやってきた。

2年前当時は、長きに渡り様々な年齢層から愛されてきたエヴァンゲリヲンが終劇することに現実味がわかず、映画を見終わった後も号泣しながら、自分だけ置いてきぼりにされたような寂しさや、喪失感、絶望だけが残ったのをよく覚えている。
自宅に帰り、即座に自室にこもって枕を濡らすことしかできなかった。
ずっと続いていくだろうとどこか期待していた自分が馬鹿みたいに思えた。
シンジくんは独り立ちしているし、アスカはケンケンと良い感じになってるし、綾波も自分の居場所をしっかり見つけていた。
今まではどこか完璧でないキャラクター達に共感や安堵をしていたんだと初めて気づいた。

「涙で救えるのは自分だけだ。ほかの誰も救えない。
                だからもう泣かないよ。」

この言葉を聞いたとき、本当にシンジ君は成長してしまったんだとすごく寂しい気持ちになった。
今までただ泣いていただけの頼りないシンジ君はもうどこにもいないのだ。
嬉しい気持ちと反面、完全に終わるのだと感じた。

終劇から2年経ち、円盤化が発売された。
最初の1年は寂しくてしょうがない気持ちでいっぱいで、全くエヴァに触れることができなかった。
2年目になり、ようやく自分の心の整理がついたようでもう一度見てみると、本当に勇気をもらったし、エヴァのようにもっと成長したいと感じた。
改めてこんな素晴らしい作品はないだろう、そう思えるような内容だった。

円盤化当日に買いに行くと、残り一つだけになっていて2年経った今でもたくさんの人に愛されているのだと勝手にうれしくなった。
早速帰ってから見てみると、劇場版の内容より数時間前のエピソードが特典で入っていることを知った。
本当に庵野監督には感謝でしかなかった。終劇から何とか前に進めた今、また見たことのないエヴァを見ることができる。本当に嬉しくてしょうがなかった。
10分程度の映像だったが、それだけで心の底から素晴らしいひと時だった。

どんな時も私にとってエヴァは心の支えのような存在だった。
エヴァンゲリヲンという物語がすべて終わり、2年経った今だから感じることがある。
エヴァは虚構の世界であって、また現実でもあるんだということ。
虚構を受け入れて現実と共に生きていればいいんだ。
庵野監督がエヴァを通して私たちに伝えてくれたメッセージ。
エヴァの呪縛から解かれ、そんな風に感じるに2年だった。



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