更年期障害

 今の職場で働き始めてから9年目になる。3年ぐらいたったころから
ひどく疲れるようになり、週の後半はへとへとで週末に滑り込む日々を送っていた。
 仕事がつらいだけでなく、プライベートな外出でさえ、何とか出かけられれば、出てきてよかったな、と思えるのだが、出かける直前まで、なんで約束しちゃったんだろう…と思いながら大急ぎで出かける準備をしていた。
 夫と週末出かけているときもよくぐったりしていて、そんなに忙しいならもっと時間にゆとりのある仕事に変わったら、と心配された。
 今の職場に来てから、環境ががらりと変化したし、年齢とともに体力が衰えているのも事実なので、仕方ないのかなと思っていた。それでも週末にサイクリングに行くようになり以前より体を動かすようにしたら、乱れがちだった生理が落ち着いてきてそこはかとなく効果があったようだが、それでも疲れはだんだんひどくなり、このままでは自分が続かない、とにかく原因をみつけて治療しなければ、と決心した。
 一番怪しいのが更年期障害なのだが、私の場合、まだ生理も続いていたし、症状といえば、ただただ疲労感ばかりだった。年の近い友人や義理の姉がいつもハンドタオルを手にパタパタと暑そうにしているのを見ていると、そういう典型的なホットフラッシュやのぼせの症状が全然ない私は更年期障害じゃない気もしていた。
 それでもとにかく楽になりたい一心でまずは婦人科に行ってみる。ネットだとホルモンレベルを調べて下がっていたら治療する、との説明だったがそういう検査は特になしで、薬を出してくれた。
 先生からは、ホルモン療法、漢方、プラセンタ療法のどれかにしますか、と聞かれて、もともとそのつもりだったので、ホルモン療法をお願いした。
 プラセンタ療法は生理的にちょっと…。漢方は効果がでるまでに時間がかかるそうなので、今すぐ何とかしてほしい私にはとても待っていられないし、そもそも漢方をあまり信じていない。
 ホルモン剤を処方してもらい、その日の夜に早速飲んで寝た。
 翌朝、パチッと目が覚めた。薬飲んでその気になったのかもしれない、とその時は思ったがそれ以来びっくりするほど体が楽になった。たった1粒の薬でこんなに変化を感じるなんて生まれて初めてだった。
 もちろん、元気もりもり、というレベルにはならなかったが、それでもホルモンてすごいんだな、と思いつつホルモン剤が効くということは、私はやっぱり更年期障害だったんだ、と思った。

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