不道徳の罪が軽すぎる問題

現在、不道徳の罪が軽すぎる。

法律に触れないならば、道徳なんて軽んじてもいい、思う人が多い。しかもそれはバブル世代以降(好景気世代)に非常に多いように観測される。彼らは確かに山一證券破綻時の多くの経営陣のように、自分がいかに勝ち逃げするかしか考えていない。そして罪を被っても、不道徳な罪は相手の損失によっては全く軽いことが多い。悔しい思いをしても、直接的な損失が少なかったら、あまりに罪が軽くなってしまう。

そもそも稼ぐために使った膨大な時間は取り戻せないのだ。不道徳な罪はもっと重くするべきである。被害額の10倍は支払わせるべきである。無理なら無期懲役であろう。

はじまりは道徳的な問題ではないか

そもそも法律に触れないならば、道徳を無視して、相手を陥れ、自分だけ利得をあげる行為を賢いと称賛する空気がないだろうか。これは明らかな間違いである。

それを国会議員はじめとする公的な立場の人が行っているのである。彼らのような性根の人間は(一般市民ほど)罪に問われないどころか、次はより上手に隠れ、詐欺を実行するだろう。そして身内ではそれを賢いと称賛してはいないだろうか。

長崎の郵便局12億円詐欺

最近だと長崎市の郵便局12億詐欺が当てはまる。ニュースによると息子が親を招き入れて詐欺の手助けをしていたようである。詳細は報道されない(これもこれで大問題なのだが)ので不明だが、身内が12億円もの大金を気が付かないはずがない。

郵便局なのに世襲であることも驚きである。この事件を踏まえ、地方の公務系労働の世襲就労は禁止する法律を作ったほうがいいのではないだろうか?

長崎など中央政府から物理的に距離のある地域は役人の目が届きにくいため、詐欺が行われやすい。心理的に気が大きくなるのだろう。

そして法律上、「使ってしまったので返せない。自己破産します」と開き直れば、あとは悠々自適の田舎暮らしができる。そのことを犯罪する側はよく知っている。民営化されていたとはいえ、公務系の職務の立場の人間が行っていたのである。徹底的に罪を追求しなければ、公的機関全体の不審へと繋がりかねない。

不道徳な行為は不経済を招く

不道徳な行為は結果的に経済的な損失を招く。不道徳な行為が当たり前になると、多くの人間がそれを実行してしまう。そしてお互いを信用できなくなり、調査費用、警備費用、設備費用、保険費用など膨大な費用がかかることになる。

確かドラッカーの著作の中で「不信は高コストである」との主旨の言葉があった。これは今の世の中でしっかりと考えなければならない言葉である。

好景気世代を猛省させよ

このような不道徳な行為が横行する社会、つまり真面目な奴が馬鹿を見る社会にしてしまったのは誰か。私は好景気世代と確信している。社会とは世代がバトンパスをして作っていくものである。それを裏切ったのが、最近では好景気世代ではないだろうか。だから氷河期世代が生まれ、日本が立ち行かなくなったのである。

好景気世代は終身雇用をはじめとする日本型雇用制度を崩壊させ、新自由主義(ここでは利益最優先主義)の思想に囚われ、自殺者数をことごとく上昇させ、環境破壊を促進し、日本人の本来もつ良さをことごとくなくしてしまったのではないだろうか。

彼らにまず猛省させ、頭を下げさせるだけでなく、実際的な行為に従事させ、彼らの老齢年金を実質的に取り上げ、次の世代のために有効活用させなければ、日本の未来はない。

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