夫婦二人の読書会 - 第0回「コンセプトを決める」
毎週、夫婦で読書会を開くことにした。
会といっても、参加者はぼくと妻の二人だけだ。
きっかけは、結婚してから二人で何か一緒にできる趣味があったらいいねと話していて、そろそろ何か決めようと決心したから。
候補としてあがったのは、ロードバイク、ダンス、読書だ。
ロードバイクはお金がかかるのと、現在住んでいる家に駐輪場がないので却下になった。
ダンスに関しては、ダンスを習おうにも近くに教室はないので却下になった。
対して読書は、コストパフォーマスに優れ、場所を選ばないため、二人で読書会をすることにした。
二人とも根っからの読書好きだ。
ぼくの趣味は本屋・古本屋・図書館めぐりで、現在家には約600冊の蔵書があり、電子化した本は2000冊を超えている。
妻も読書好きで、蔵書をざっと数えてみると80冊ほどで、断捨離をしたくなったときに一気に本を電子化している。
本選びのガイドブック
読書会に決めたもう一つの理由が、「幅広い教養を得たい」と思ったからだ。
妻が読む本は主に筋肉や骨格といった体の本で、ぼくは小説がメインと、読む本が偏ってしまっていることに危機感を持った。
歳をとるにつれて、もっと幅広い知識をものにしたいと考えた。
そこで、ガイドブックとして選んだのが、「知の巨人」立花隆氏と「知の怪物」佐藤優氏の共著である『ぼくらの頭脳の鍛え方』だ。
この本では400冊の教養書を紹介されてある。
なぜこの本を選んだかというと、ぼく自身が佐藤優氏の著書を多数持っており大ファンで、信頼がおけるのが一つ。
また本来「教養」とは、「何冊本を読めば身に付く」といった定量化に向いていないものだけど、読書会を開く中で達成感を得るために、「400冊読破を目指す」という分かりやすいゴールがあった方がいいと思ったからだ。
400冊という冊数は実際にとても多いけれど、不可能でもない冊数だと思う。
仮に一ヶ月に1冊読むとすると、400冊読むまでに400ヶ月かかるので、約34年かかる。
一ヶ月に2冊だと約17年だ。
現在二人とも30代で、生きている間には達成できそうなので、気長に取り組むとする。
コンセプト・方針
方針はシンプルに「楽しむこと」だ。
「〜しなければいけない」と義務感を感じるのは良くないので、楽しめているかをどうかを判断基準に、やり方をアップデートしていけたらと思う。
読書会の進め方なのだけれど、
テーマの決定
それぞれ交互に1つテーマを決める。
最初は妻が選ぶことになり、テーマは「宗教」だ。
親族の葬式でお坊さんがきて、一族みんなが「般若心経」を声にあげて読んだことから興味がわいたようだ。
ぼくの番になったらテーマを「芸術」にしたいと思っている。
本の選定
『ぼくらの頭脳の鍛え方』からテーマに関連する本を五冊選ぶ。
五冊選ぶ理由は、同じテーマの本を五冊、連続で読書会でとりあげるからだ。
これは立花隆氏のアドバイスを参考にしている。
『ぼくらの頭脳の鍛え方』の付録(p244)として、<立花隆による「実践」に役立つ十四ヵ条>というものがあり、その第七条では「ノートを取りながら一冊の本を読む間に、五冊の類書を読むことができる。たいていは、後者のほうが時間の有効利用になる。」と、読書術に関して記載がある。
また、第二条も参考にしており、「一つのテーマについて、一冊の本で満足せず、必ず類書を何冊か求めよ。類書を読んでみてはじめて、その本の長所が明らかになる。そのテーマに関して健全なパースペクティブを得ることができる。」というものだ。
これらから、1つのテーマにつき、テーマを決めた人が五冊の本を『ぼくらの頭脳の鍛え方』から選ぶというやり方を考えた。
今回だと、テーマは「宗教」なので、そのテーマに関する本を五冊ほど妻が選ぶことになる。
一番最初に読書会で取り上げる本は『現代語訳 般若心経』で、すでに二人分購入した。
読書会の日時の決定
二人の予定が比較的空いている毎週火曜日の朝11時から行うことにした。
火曜日に予定が入った場合は、週の中で別の日に調整することにする。
事前準備
本によっては現実的ではないものが含まれるが、2週間で一冊の本を読み進めたいと思う。
1週間で半分のページを読むことになる。
なので、最初の読書会の範囲は『現代語訳 般若心経』の前半、半分のページということになる。
中に書かれていることを一つ一つ丁寧に二人で読解していくと、400冊読破は生きている間に達成はできないので、
絶対に半分読まなければいけない、という義務にはしたくないので、読んだところまでの範囲で、下記の質問に答えることにする。
・なぜその本をよむのか?
・一番の学びは何か?
・疑問に思ったことは何か?
・学んだことをどう活かしていくか?
読書会の進め方
上記の質問への答えを、それぞれ二人で発表しあうという感じだ。
このやり方は、実際にやってみてから調整していこうと思う。
読書会の意義
妻とはずいぶん長く一緒に暮らしているけれど、妻については驚くほど知らないことが多い。
最近だけでも、妻の「恵方巻きが好き」という好みに関することから、「会社であった嫌なことを引きずる」というクセに気付かされた。
妻といっても他人は他人で、そんな他人を100%理解するのは不可能だとしても、せっかく一緒に住んでいるので、妻のことをもっと理解したいと思った。
なので、読書会の開催にワクワクしており、読書会を通じて、妻がどんなことを考えているのかを知りたいと思う。
そもそも『ぼくらの頭脳の鍛え方』に紹介された本を全部読んでみたい!と、昔から思っていたのだが、なかなか一人では動き出せなかった。
夫婦二人で、どんなことを一緒に学び、どこまで読破できるか楽しみだ。
夫婦生活を、発見の連続にしたい。
いいなと思ったらチップを贈って応援しよう!