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レビュー『貧困脱出マニュアル』

インパクト大なタイトルにひかれて手に取りました!

本書のメインターゲットは「毒親育ち」の中学生や高校生。

彼・彼女らの苦難だらけのサバイバル人生にあたり、血の通った戦術を指南しています。

といっても、その過程で貧困から抜け出すための世の中の仕組みや、トップ翻訳者として活躍する著者の思考についても学べるため、良い親をもった若手の社会人にもおおいに役にたちます。

そのなかで興味深かったのが、人がお金をもらえる3つのパターン。
 
1.人がやりたくないことをやってあげる 
2.凡人ができないことをしてみせる 
3.リスクをとってリターンを得る

「どうやったらお金をもらえるか」は何通りもの方法がありますが、「どんなときお金をもらえるか」はこの3パターンだけとなっています。

そして経済の原則として理解しておく必要があるのは、これらのなかでだれでも実行できるのは「人がやりたくないことをやる」だけということ。

そして、翻訳者ならではの「英語」にまつわる話も面白かったです。

著者によると、アメリカとイギリスの本で練りに練った500ページ以上の名作は、分冊が定型化している日本ではまず出版されないものとなっており、21世紀に入ってからはこの傾向に拍車がかかっているとのこと。

だからこそ、まっさきに原著を英語で読めば、先行者利益がついてくるので、英語は身につけておいたほうがいいと語ります。

ちなみに、翻訳者にまでなった著者の英語学習法ものっています。

そして、仕事えらびに際しては、「徹底して市場を厳選して絞る」大切さを力説。

どんな仕事をするにせよ、お金をもらうにはどの「マイクロトレンド」をターゲットとするのかをはっきりさせることが重要です。

そのために英語版の『Microtrends』は「間違いなく必読の一冊」と紹介。

日本語版もありますが、ページ数の制約により、紹介されている項目がすくなくなっています。

さっそく読みましたが、こんなトレンドが生まれているのか!とおどろかされました。

著者はトップ翻訳家として活躍し、代表作は『ジョコビッチの生まれ変わる食事』で、最近だと『SHO-TIME 大谷翔平』の翻訳も担当。

著者自身、DVに悩み、貧困から抜け出した経験をもっており、おなじ境遇の若い人を救うために書かれた本書には熱がこもっています。

「とにかくやれ!」というメッセージが伝わってくる一冊で、ぼくにとっては元気の出る本でした。

それでいて、書かれていることが理にかなっており合理的で、ファクトベースで書かれた『残酷すぎる成功法則』のような、アメリカの自己啓発の良書のような印象をうけました。

こういったタイプの本が好きなので、すぐに読みきってしまいました。


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