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〆切を独学の武器にする:『〆切仕事術』レビュー

現在42Tokyoでプログラミングを学んでいるのだが、学習のペースは自分ですべて決めることができるので、「〆切」こそが最も重要だと思えてきた。

「〆切力(しめきりりょく)」とでもいおうか、〆切によって学習効率を上げるためのアイディアがもっとないかと、本書を手に取った。

『〆切仕事術』はビジネス書ではあるが、学生でも使える本であり、〆切を守りたいけれど守れない人や、守らせたい人にオススメの本。

まず本書は、仕事における〆切に焦点を当てた実用的な書籍である。

本書では、〆切を守りながら効率的に仕事をこなすための方法が具体的に紹介されており、忙しいビジネスパーソンにとって非常に役立つ内容となっている。

本書の最大の特徴は、〆切を達成するための具体的なアプローチが提示されていることだ。

たとえば、〆切に余裕を持たせるためのスケジュール作成や、タスクを分割して優先順位をつける方法

これらのアプローチは、ビジネスパーソンだけでなく、学生や研究者など、〆切が存在するすべての人に役立つものだ。

また、本書では、〆切に焦点を当てつつも、仕事全体を見渡す視点が重視されている。

〆切だけに焦点を当ててしまうと、全体のスケジュールが崩れ、余裕のない状態に陥ってしまうことがある

そこで著者は、長期的な視点を持ち、全体のスケジュールや目標に合わせて〆切を設定することが重要であるとアドバイスしている。

これにより、仕事を効率的にこなすことができるだけでなく、余裕を持って〆切を達成することもできるようになるだろう。

さらに、〆切を守ることができるようになるための心構えについても言及。

まず、上阪氏は〆切に対する「恐怖心」を理解することが重要であると主張している。

多くの場合、〆切が近づくにつれて、ストレスが蓄積され、生産性が低下する傾向がある。

上阪氏は、このような状況を避けるために、〆切を適切に管理する方法を提案。

本書では、〆切に対する恐怖心を解消するための具体的なアドバイスがいくつか紹介されている。

まず、タスクを小さな単位に分割し、日々の進捗を管理することが重要である。

これにより、タスクが大きすぎると感じることがなくなり、ストレスが軽減される。

また、〆切が近づいてから作業を始めるのではなく、余裕を持って計画を立て、早めに作業を始めることも重要。

これらの心構えを身につけることで、〆切に焦りすぎることなく、適切なペースで仕事を進めることができるようになるだろう。

ただ、具体的な事例やシチュエーションが少なく、抽象的な説明が多いため、読者にとっては実践的にどのように行動すればよいかがわかりにくい場面もある。

こういった改善すべき点はあるが、〆切に直面する人にとっては非常に有用なアドバイスが提供されている。

仕事のスケジュール管理や、仕事に取り組むための心構えを身につけることができるため、今後のビジネスパーソンのキャリアに役立つだろう。

最後に、本書で紹介されている「〆切を守るための10箇条」を紹介したい。

第一条 時間に追い詰められるのは不快だ、と自覚する
第二条 仕事はプロセスに分解して細切れで行う
第三条 プロセスごとにかかる時間を見積もり、自分で〆切を設定する
第四条 やらないといけないことを「時間割」にしていく
第五条 仕事は一気に完成させない。粗々から少しずつ精度を高める
第六条 早め早めにどんどんやっていく
第七条 自分の得意な時間帯、効率のいい時間を意識する
第八条 ルーティンの時間をブロックする。 細切れ仕事はすぐやる
第九条 やる気が出ないときは10分間だけ離れる
第十条 効率を上げる「イノベーション」を常に考える

この中で個人的に一番重要だと思うのは、第三条の「プロセスごとにかかる時間を見積もり、自分で〆切を設定する」だ。

細かい〆切を設定することで、最終的なゴールの〆切までのロードマップを描くことができる。

サクッと読めるので、〆切によって生産性を上げたい方は、図書館で借りてみることをおススメする。


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