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レビュー『運の方程式』


超人気サイエンスライターが放つ、「運」についての本。

いままでは漠然としている概念だった「運」。

そんな「運」を本書では一つの「スキル」として、個々人の努力で伸ばすことができるとしている点が斬新だ。

また、科学的な方法を詳細に解説しているものポイント。

「科学的」という理由は、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスや、プリンストン高等研究所といった、世界一流の研究機関の成果をもとに執筆をしているからだ。

それらの研究の成果を、著者が以下の方程式に落とし込んでいるところに本書の価値がある。

幸運 = (行動 × 多様 + 察知) × 回復

すこしだけ説明すると、「行動」は、行動の量と質を上げることが重要。

情報を収集し、好奇心を持つことで、行動量を増やすことが可能になる。

そして、行動を起こすための方法として、行動力が高い人を模倣することも推奨されている。

「多様」については、さまざまな方法を試すことが重要だ。

多くの経験を持つ人が最終的に高い成果を出すことが多いと語られ。多様な経験を通じて、自己の強みと弱みをより深く理解し、自分の能力を最大限に活かすこと可能。

「察知」は、身の回りの小さな変化に気づくこと。

偶然をただの偶然で終わらせず、気になったことがあれば、「なぜだろう?」と自問自答するクセを持つことが大切だ。

「回復」は失敗から立ち直る力。

失敗を1つの新しく得られたデータと捉えること重要で、失敗したことは次に生かせるデータとなり、その経験は減らない財産となる。

また、それぞれについて、具体的なアクションプランも用意されているので、読んだその日から、運をつかむためのスキルをあげることができる。

たとえば「行動」の分野だと、好奇心の伸ばすために「海外のニュースを読むこと」や、「アーティスティックな活動を20分以上する」といったアクションが紹介されており、取り組みやすい。

著者の鈴木祐さんは、1976年生まれのサイエンスライター。

出版社勤務を経て独立後、10万本の科学論文の読破と600人を超える海外の学者や専門医へのインタビューを重ね、多数の執筆を手がけている。

自身のブログ「パレオな男」では心理、健康、科学に関する最新の知見を紹介。

『最高の体調』、『科学的な適職』、『ヤバい集中力』、『不老長寿メソッド』など、著者多数。

本書では、世界中の成功者たちが無意識にやっている「運を味方につける」習慣や思考法を整理して紹介している。

まずは最新の知見をもとに「運」を引き寄せる方法、具体的な要素に分解。

そして、読者がそれぞれの要素を理解し、自分が弱い要素を見つける手助けをしてくれる。

さらに個々人の日常生活のなかで、以下に自分の弱点を克服できるか、具体的な行動を示唆している。


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