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お子さんの注射や検査に行く前には。

昔、小児病棟で仕事をしていた頃のある女の子の話。採血の時にベッドに寝てもらって、動かないからこのまま行きましょうかと医師と話してると、その子が今から採血する肘あたりをすごい目で凝視してるので、「ほら、アンパンマンだよー」「アンパンマンどこいるかなー」と視線を誘導しようと天井からぶら下がるアンパンマンのぬいぐるみを指差したら、「男なんて目を離したら何するか分からないじゃない!!」っと、、、、。使うところ間違ってます。😁

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さて、本題です。

注射だけではなく、嫌な処置前や嫌いな薬の前に「痛くないよ」「苦くないよ」という言葉は避けた方がいいです。単発な時はそれでおしまいとなりますが、残念ながら例えば注射の場合、ながーく予防接種期間は続きます。次の予防接種の時にこないだ嘘ついた、っと大騒ぎさは前回より増します。下手すると家からなかなか動こうとせずに連れて行く大人に最後には怒られる!という更なる嫌な思い出を植え付けることになります。そうなると、次回はますます小児科嫌度が高まります。
後、注射を頑張ったら○○を買ってあげる!も避けた方がいいです。これは病気以外なことで、何かを頑張ったらという対価をもらうという習慣をつけることになるので、他のことでがんばろうってことができた時に説明が難しくなります。まだ幼少期には注射はなんかもらえるのに、○○はもらえないという区別がまだ難しいです。なんでもらえんとーー?と駄々をこねるのはそこがはじまり、、ということになることがあります。

それならどうすればいいのか、、、

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【事前準備】
まずは、前もって説明することが大切です。
説明するのは、2〜4歳だと数時間前、4〜6歳は前日、小学生は数日前から1週間前には話します。
説明は痛いこととすることとその目的をわかりやすく伝えます。
予防接種なら悪い病気にならないためのお薬を入れるよ!
採血や検査なら、症状のないときは悪いところがあるかお医者さんに探してもらうよ!症状のある時ならどうして○○なのかを探してもらおう!みたいなポジティブな話し方でお子さんに合う説明をします。
先日、友だちのお子さんが検査をする時に、お姫様なりきりで戦う前に元気か診てもらうのに○○をしてもらおう!と説明をしたという話を聞いて、好きなキャラクターなりきりはありだと思いました。そういえば去年から鬼滅キャラで注射って増えてたそうですしね。鬼滅キャラは呼吸も深くするのでなおいいかもと思います。
また、事前に注射ごっこなどの遊びをすると、イメージがつきやすいです。お人形さんを注射打たれる人でまず大人がする、次はお子さんがするという風にします。
3.4歳以上になるとお子さんが打とうとした時に手を動かしたりすると、お子さんが「じっとして!」「動かないで!」と言ったりするので、注射のときは動かないことを伝えることもできます。うった後は、「痛いのに頑張ったね」とお人形さんに話すことも大切です。
先日、採血前の注射ごっこでリカちゃん人形を大暴れをさせたらタオルで包まれました。タオルで包まれる理由もわかると暴れなければ、、、という理解に繋がるかもしれません。残念ながら今回は「タオルいらない」と言ったのに結局暴れて包まれたそうです。怖いのは確かなので、わかっててもできないというのはもちろんあります。私だって暴れたいです。下手な採血や注射にあたったら払おうかと思います。大人なので払いませんが、、、多分、、

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【注射など処置をする時】
病院によってする処置によって抵抗具合によって、1人で座ってだったり、抱っこだったり、ベッドでタオルに包んだり、別室だったりすると思います。
どの場合でも、まず、1番大切なのは一緒に行った方の笑顔!です。ケラケラ笑わなくてもいいですが、笑顔がいいです。「痛いから可哀想」「早く終わらせないと迷惑かかる」などなど理由は沢山ありますが、きりっと顔して横にいる方が多いです。キリッとした顔をしているとお子さんの不安度はぐん!と上がります。抱っこで予防接種のクリニックでバイトした時にそこの医師は「お母さんが注射しそうな顔してるよ!」などなど、まず一緒に来てる大人の顔が緩む話をしてました。全ての小児科医がそこからはじめてくれるわけではないのでご自分で笑顔を作りましょう。小児科の医師や看護師はこれから子供が痛い思いするのになんで笑ってるんだろう?とはまず思いませんのでそこも心配しなくて大丈夫です。

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【終わった後】
痛い事を共有して、頑張った事を褒めましょう!
予防接種だろうと治療の注射だろうと採血だろうと検査だろうと目的はそれらができることであって、上手に静かに速くすることではないので、とってもとっても誇らしいことです。
小児病棟で仕事してた頃は別室か面会時間外に行っていたので、終わったらめっちゃ褒めて、お母さんやお父さんに会ったら「すっごく頑張ったから褒めてください」っと説明してました。どんなに暴れた子でもえっへん顔です。ご両親はじめ身内に褒められる事は何よりのギフトになるので「痛い」という悪いイメージを少し払拭してくれるはずです。ベタ褒めしましょう。どんなに暴れてもそこは触れなくていいのでベタ褒めしましょう。

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【嘘ついちゃったら】
どうしても、嘘ついちゃう事もあるかもしれません、予約した時間近づいてるし、お子さん動かないし、早く行かなきゃ!とつい、、、みたいなことありますよね。
そんな時は打ち終わったら褒めるのと合わせて、謝りましょう。打って欲しかったから痛いのに痛くないって言ってごめんねを褒めるにプラスしましょう。
予防接種でする皮下注射や筋肉注射は力が入ると痛いです。なので、小児科医によりますが、年長さんや小学生など以上のお子さんには「今から打つよ!」と言った瞬間に力が1番入る事から、「打つときは打つって言うからね」と言った瞬間とか、刺した瞬間に「終わった」と言って薬液入れるとか、嘘混ぜ込みつつする医師がいます。その時は痛くないためだったんだよとか説明は色々ですがみんな謝罪してます。謝ればいいってものじゃない!って子もいるかもしれませんが、他でもしたことがある子なら痛くなかった学習もするようです。
嘘ついたら、何で嘘ついたかをきちんと話すことは大切です。


【後一つ嘘ついてほしくない事】
注射の話で嘘をついて欲しくない言葉はもう一つあって、それは
「そんな悪いことすると病院行って注射するよ!」です。
目の前で言われることもありますが、その時は「悪い子にする注射はないから大丈夫だよ!」と説明します。そこのおうちの育児に反する事は基本的にはしないのですがここは切っときます。
時々、目の当たりにするのは、さー注射するぞとなった時に
「ごめんなさい、もうしません」と謝りはじめること。もしかしたら何か悪い事した直後だったかもしれませんが、大概何もしてません。何も悪い事してないのに悪いことしたと認定されどんなに謝ってもうしないと誓っても罰がくだる!お子さんにはそんな状態になります。下手するとトラウマです。
後、入院中に毎日採血しに処置室に向かうお子さんに「悪い子だから毎日注射なんでしょ?」と言ったお子さんがいます。双方にお話しはしましたが、そもそもご両親など身内の方にそう言われてる方のお子さんはそれが違うとわかるのはとても難しいです。まだ後何日か続く予定だったのでその時はお部屋替えをしました。

そうは言っても、、、というところもあると思います。「○○をしない」というのは難しくて、そこを守ろうとすると不用に叱ってしまってかえって逆効果ということもあります。
「嘘ついてしまったら謝る」という自分の許しどころを作り、暴れようと叫ぼうと終われば全てよし!と過程がどうあろうと終わったらお子さんを褒めるというところを押さえれば、と思います。
また、ご両親も事前準備の事前準備をしてみると少し余裕をもてるかもしれません。

お子さんの予防接種をしたという人に出会ったら、ぜひ、「お母さん(お父さん、おばーちゃん、おじーちゃん)頑張ったね!」とベタ褒めしてください。お願いします。私のところに来て頂ければベタ褒めします☺️

※見出し画像と1枚目と最後の写真はMINIATURE LIFE展での写真です。大好きです。

(記事はここまでです。)

最後まで読んで頂いてありがとうございます😊 気に入って頂けたらよかったら、私に一杯奢ってください🍶🍺☕️