備忘録(1)

 FF14において、ギミックを処理するためにカメラを最大まで引き寄せ、また出来るだけ上からの視点になるよう調節しているプレイヤーは多いだろう。これは目に映る情報量が増えるからである。
 さて、ぼくは昔のゲームを遊んでいると謎の息苦しさを感じることが多いのだけれど、これはどうも目に映る情報量が影響している気がする。要するに画面が狭いのだ。今回はこの息苦しさ、閉塞感を見ていこうと思う。 

 一般的に、カメラを引いている、つまり視点が遠ければ遠いほど、プレイヤーは安心感を強くする。はずである。これは状況を把握できている、ということや、操作キャラと自分との物理的な距離を取ることで、ゲーム内の逼迫した状況から離れられることが考えられる。
 前述した通り、FF14はそういった『神の視点』を用いる(ことを想定したつくり)により、1ミスも許されないゲームデザインとオンラインゲーム特有のほのぼのとした雰囲気が上手く交わっている感じがする。
ユーザーは緊張していると長時間遊べないのである。

 「緊張感を緩和させる」というのは、まず遊んでもらうことが大事なゲームにおいても注目すべきポイントであろう。
 売れたゲームかつユーザー評価の高い、『ニーアオートマタ』を例にしてみよう。ヨコオのゼンメツ・アクション的シナリオが全面に出ている本作であるが、プレイしていてそれほどホラー要素が強い感じはしない。一番怖い思いをするのは機械生命体が首を伸ばして電磁パルスを出すムービーシーンであって、プレイヤーは雄大な自然を眺めているだけでかなり幸せな気分になれる。序盤中盤で訪れる暗い工場でも、狭い所は2Dにする、という思い切ったカメラアングルにより、プレイヤーの緊張度を緩和できている。単に頑張って作ったから画角を広くしただけかもしれないが。
 念のため書くが、ここで言いたいのは2Dアングルが斬新だ!という事ではなく、カメラと一定の距離を保とうとする考えのことである。何を隠そう俺たちはソニックワールドアドベンチャーを遊んだことがあるはずだが、ソニワドにおける2D3Dの切り替えはステージのテンポの調整の面が大きい。出来るからやってみた、というわけでなく、表現したい形に合わせて実装すべき、ということである。
 『ニーアオートマタ』は、周回するごとにシナリオが変化する仕様になっているが、正直2週目は1周目をなぞるだけであって変化に乏しい。
しかしながら、本作のトロフィー獲得率は非常に高く、アクションRPG系統にしては破格の数値をたたき出している。)今見たらAエンドは40.3%、最終エンドは18.9%でした。お前ら積みすぎ。バイオ7は38.9%、DQ11の異変前が49.6%、全クリが23.5%と思うと……長いゲームは大変そうですね。

 ともかく、緊張の緩和、というのを意識してデザインするだけで、多少はプレイフィールの向上に繋がるのではないか、ということでした。これはカメラに限ったことではないし、緊張は要所要所で持たせていかないと起伏のないゲームになってしまいがちなので、そこら辺のバランスも大事ですけれどね。

聞いてるかエルデンリング。お前のことだぞ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?