見出し画像

(2)医心方 巻二十七 養生篇 導引第五 鳳凰堂流解釈


養生要集からの引用
導引はいつも天の陽気が和やかで暖かく、日月が澄んで静かな時を見計らって部屋に入っておこなうべきである。寒さの厳しい日や熱すぎる日に導引してはいけない。

鳳凰堂流解釈
呼吸を安定させ、集中して行う為には、外的環境が過ごしやすい状態の方が適しています。
当然ながら体調が悪い時にもしない方が良く、体調が良いときに悪くならないように動かしておくものです。

導引経の説
導引で体内の気を調整し、生を養うには、1日3回行う事。午前5時から7時までの間を三時と言う。導引をする前は身体と心を清潔にする事を心がけるべきである。

鳳凰堂流解釈
診療時も、基本はベッドに寝ていただいてしばらく腹式呼吸をしてもらうか、ゆっくりしてもうことで、身体という固体の中を流れる、血流という液体と電磁力という気体の流れを一定程度安定させてから、面診(望診の中の一種で顔の形、色等から心身の状況を把握する方法)を行います。
導引の場合も、動中求静(どうちゅうきゅうせい。動きの中で軸を作る)を行います。

劉京道人の言葉
毎朝必ず玉泉を飲む事。玉泉を飲む事で顔色が若くなり、虫を除き、歯を丈夫にする。玉泉というのは口中の唾液である。朝、目が覚めきっていないうちにうがいをし、唾液を分泌させて口中に満たし、飲み込むようにする。そして直ぐに歯を14回叩く。これを2クール行って止める事を煉精と言う。

鳳凰堂流解釈
劉京道人は字を太玄と言い、西漢(前漢)時代の南陽(現在の河南省済源県と淇県の間)の人で、≪歴世真仙体道通鑑≫巻十二を書いた人と考えられます。
玉泉は、本文にも書いてあるように唾液の事であり、前述した甘露と同じ意味を持っています。
気功の修練でもこの玉泉、甘露を飲む事や歯を叩く事はあり、普段刺激しない部位を刺激することは意識できていない事にまで意識を持っていくという意味でも重要です。

道教の修練には、練気化精、煉精化気、煉神還虚と言った工程があり、その中の煉精にあたります。つまり、気を煉って溜める事で精にし(煉気化精)、その精を更に練ってまた気にし(煉精化気)、これによって神を煉り、虚に還る(煉神還虚)という過程の一部に当たります。

もう少し簡単に言うと、体内に取り入れたエネルギーを精製し、精製したエネルギーを凝縮することで、精神力・集中力を高め、極まれば意識が自分自身だけでなく、周囲の空間やはるか遠くまで広がると言ったようなものです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?