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養生訓 巻第三 飲食上 鳳凰堂流解釈㉗

原文を現代文に改変
聖人その醤(あゑしほ)を得ざれば食い給わず。

これ養生の道なり。

醤とはひしほにあらず。

その物に食わうべき合わせ物なり。

今ここにて言わば、鹽酒(しほさけ)、醤油、酢、蓼(たで)、生薑、わさび、胡椒、芥子、山椒など各その食物に宜しき加え物あり。

これを加うるはその毒を制するなり。

只その味の備わりて良からん事を好むにあらず。

鳳凰堂流意訳

聖人は和えしおがなければお食べにならない。

これも養生の道である。

醤とはひしおではない。

その物に食べる際に調和したものである。

具体的に言うと言わば、鹽酒(しほさけ)、醤油、酢、蓼(たで)、生姜、わさび、胡椒、芥子、山椒など各その食物とのバランスが取れたものである。

これを加えると言う事は、その食べ物の毒を制すること。

只その味が備わり、味が良い事を好むだけではない。

鳳凰堂流解釈

あゑしほと言う言葉は、探しきれなかったのですが、そのまま説明してくれていました。

醤(ひしお)は味噌や醤油の原型であり、大きく分けて四種類あります。

1、魚醤(うおびしお)

2、肉醤(ししびしお)

3、草醤(くさびしお)

4、穀醤(こくびしお)

1、は日本ではしょっつるやいしる、いかなご等。

海外ではベトナムのナンプラーやニョクマム等が有名です。

2、は元々は中国由来で、日本で有名になったのは塩辛くらいです。

3、は漬物の汁

4、は味噌や醤油です。

ここではひしおではないと言い、具体的に品名を挙げているのをみると薬味の事を言っているのだと思います。

現代で良く使われている薬味は約七種類

1、ネギ
肉や魚の臭み取りが主ですが、殺菌、疲労回復、血流促進、免疫力向上に寄与します。
東洋医学的には速く気を通す作用があります。
四気五味  辛温
帰経          肺・胃
発汗解表、通陽散寒、解毒散結


2、三つ葉
気持ちをリラックスさせ、イライラを解消させる効果の他、消化促進(食欲増進)効果があります。
四気五味   辛温
帰経          肝、脾・胃
消炎解毒、活血消腫


3、生姜
食欲増進効果、殺菌効果等が言われていますが、東洋医学的には芳香性健胃、薬徴(吉益東洞の著)には結滞水毒と書かれています。(注:干姜についての項)
四気五味  辛微温
帰経          肺、脾
発汗解表、温中止嘔、温肺止咳、化痰、解毒

4、 ミョウガ
消化促進、血流改善、免疫力向上、眠気覚まし等。
四気五味   辛温
帰経          肺・大腸、膀胱
薬徴には記載なし。


5、わさび
四気五味  辛温
帰経         脾
健胃、解毒

6、大葉
四気五味  辛温
帰経         肺、脾
解毒、殺菌、利尿等。

7、ゆず
四気五味  甘酸寒
帰経          胃、肺
化痰、止咳、消化促進等。

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