養生訓 巻六 慎病 鳳凰堂流解釈⑭
原文を現代文に改変
夏は發生の氣いよいよ盛んにして、汗もれ、人の肌膚大いに開く故、外邪入りやすし。
涼風に久しくあたるべからず。
沐浴の後風に当たるべからず。
且つ夏は伏陰とて陰氣かくれて腹中にある故、食物の消化する事おそし。
多く飲食すべからず。温かなるものを食いて肥胃(鳳凰堂注:脾胃の間違いか)を温むべし。
冷水を飲むべからず。
すべて生冷のものを忌む。冷麪を多く食うべからず。
虚人は尤も泄瀉のうれいおそるべし。冷水に浴すべからず。
暑甚だしき時も冷水を以て面目を洗えば、眼を損ず。
冷水にて手足洗うべからず。
睡中に扇にて人に仰がしむべからず。
風にあたり臥すべからず。
夜外に臥すべからず。
夜外に久しく坐して露氣にあたるべからず。
極暑の時も極めて涼しくすべからず。
日に久しくさらせる熱物の上に坐すべからず。
鳳凰堂流意訳
夏は発生の氣が更盛んとなり、汗が出て人の肌、皮膚が緩み、毛穴が大いに開く為、外邪かま入りやすい。
涼風に長く当たってはいけない。
沐浴の後風に当たってはいけない。
同時に夏は伏陰と言われ、陰氣がかくれて腹中にある為、食物の消化が遅くなる。
多く飲食してはいけない。
温かなものを食べて脾胃を温めるべきである。
冷水を飲まないように。
生もの、冷たいものは避ける。冷麺はあまり多く食べないように。
体質が弱い人は最もお腹を下しやすい季節である為、気を付ける事。冷水に浸からないようにする。
暑さが酷い時も冷水で顔や目を洗えば、眼の気が損なわれ、痛める。
冷水で手足洗わない事。
寝ながら扇で人に扇がせないように。
風にあたりながら横にならない事。
夜外で横にならない事。
夜外で長く座り、露に当たらない事。
極暑の時も涼しくし過ぎないように注意する。
太陽に長く晒された熱いもの上に坐わらない事。
鳳凰堂流解釈
冬から春の季節変化による注意の後は、夏に注意する事が書かれています。
夏は暑さが激しい季節ですので、冷やし過ぎない事と熱くなったものに注意すべきだと言っています。
夏でも温かいものを飲食し、体内の冷えを秋に持ち越さないようにするのは大切です。
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