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(4)医心方 巻二十七 養生篇 用氣第四 鳳凰堂流解釈

元陽経からの引用

元陽経とは太上元陽経という道経関係の書の事だと考えられます。太上元陽経は撰者不明、魏晋南北朝時代に書かれたものとされていますが、原本の巻数も分からず、敦煌本として僅かな抄本が残っているだけのものです。

鼻に氣を入れ、鼻に氣を含んだ後に、中へ漏らし、舌で唇、歯を撫でてから、この氣を飲むべきである。

1日で1000回飲む事が出来れば非常に良い。その分飲食を少なくする必要がある。

飲食が多ければ、氣が逆行しあらゆる脈が閉じる。脈が閉じれば氣が巡らなくなる。

気が巡らなくなれば病が生じるのである。

鳳凰堂解釈
清気を充分に鼻、口へ巡らせながら、舌を動かすことで津液(唾液)を出し、唾液と一緒に下丹田へ送る方法です。


また、老子尹氏内解からの引用

≪老子内解≫、≪老君尹氏内解≫等と呼ばれていますが、現代では既に散佚しています。

唾が溜まる所は醴泉(れいせん)と呼び、集まれば玉槳(ぎょくしょう)と呼び、流れる様は華池(かち)と呼び、散らばっている状態を精液と呼び、降りて行くものは甘露(かんろ)と呼んでいる。

ここから、口は華池と呼ばれている。口の中が醴泉であり、啄んだり飲んだりする行為が灌漑であり、これによって身体を潤し、あらゆる脈に流れ、変化して身体内の全ての神様を養う。

四肢や関節、毛髪はこのような津液を集めた結果生まれるものである。

鳳凰堂解釈
ここは専門用語の名称の為、知っておくと便利ですが知らなくとも良い文章です。

また、養生内解からの引用


人が唾を吐かずに口に含んで飲めば、氣を大事にして津液が生じる。

養生内解については探しきれませんでしたが、鳳凰堂流では、上記を総合的に考えています。

道教の修練や気功の予備功では、口の中で舌を動かした結果生じる唾を甘露と呼び、これを下丹田まで飲み下す事を1つの養生としています。

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