養生訓 巻第八 灸 鳳凰堂流解釈⑤
原文を現代文に改変
灸に用ゆる火は、水晶を天日にかがやかし、艾を以下にうけて火を取るべし。
又燧(ひうちいし)を以て白石或いは水晶を打て火を出すべし。
火を取て後香油を燈に點じて、艾炷にその燈の火をつくべし。
或いは香油にて紙燭(しそく)をともして、灸炷を先身につけ置きてしそくの火を付くべし。松、枳(きこく)、橘(みかん)、楡(にれ)、棗、桑、竹、この八木の火を忌むべし。用ゆべからず。
坐して點せば坐して灸す。臥(ふ)して點せば臥して灸す。上を先に灸し、下を後に灸す。少なきを先にし、多きを後にすべし。
鳳凰堂流意訳
灸に用いる火は、水晶を天日にかがやかせ、艾をその下において火を取る。
又火打ち石で白石或いは水晶を打ち火を出す。
火を取った後香油を灯りに灯して、艾炷にその灯りの火をつける。
或いは香油でロウソクに火をともし、灸炷を先に身体につけ、ロウソクの火を付ける。
松、枳(きこく)、みかん、にれ、棗、桑、竹、この八つの木の火は避ける。用いないようにする。
坐してつければ坐して灸をする。横になって火をつければ横になって灸をする。上を先に灸し、下を後に灸す。少なきを先にし、多きを後にする。
鳳凰堂流解釈
灸に用いる火は、現在ではマッチやライター等便利なものがある上に、天日で付けるのは中々難しい時代だと思います。
その為、この文は参考までにしていますが、避けるべき木は試したことがないので分かりませんが、基本的には避けておく方が良いでしょう。
灸の順番は気の流れや感受性を考えると今でも妥当な説明だと思います。
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