養生訓 巻六 慎病 鳳凰堂流解釈⑫
原文を現代文に改変
中風は外の風に当たりたる病には非ず、内より生ずる風に当たれるなり。
肥白にして氣少なき人、年四十を過ぎて氣衰うる時、七情の悩み、酒食の破れによって、この病生ず。
常に酒を多く飲みて腸胃破れ、元氣減り、内熱生ずる故、内より風生じて手足震い、痺れ萎えて適わず、口歪みて物言う事ならず。これ皆元氣不足する故なり。
故に若く氣強き時は、この病なし。
もし若き人にも稀にあるは、必ず肥満して氣少なき人なり。
酒多く飲み、内かわき熱して、風しょうずるは、例えば七八月に残暑甚だしくて、雨久しく降らざれば、地氣冷めずして大風吹くが如し。この病下戸には稀なり。
もし下戸にあるは肥満したる人か、或いは氣少なき人なり。
手足萎え痺れて不仁なるは、朽ち木の性なきが如し。氣血不足して力なく、萎え痺るるなり。
肥白の人、酒を好む人、兼ねて慎みあるべし。
鳳凰堂流意訳
中風とは身体外の風に当たることで起こる病ではなく、身体内で生まれた風に当たる病の名称である。
恰幅が良く色白で氣の少ない人が、四十を過ぎて氣衰えた時、七情の悩み、酒食の破れによって、この病を生じる。
常に酒を多く飲み腸胃破れ、元氣減り、内熱生ずる為、身体内から風が生じて手足が震え、痺れ萎えて思うように動かず、口が歪み喋ることもままならなくなる。これらは全て元氣が不足する事で起こっている。
従って若く氣強い時は、この病は起こらない。
もし若い人にも稀にある場合は、必ず肥満し氣が少ない人である。
酒を多く飲み、身体内が乾き熱して、風を生じると言うのは、例えば七八月で残暑甚だしく、雨が長い間降らないと、地氣冷めず大風吹くようなものである。
この病は下戸が起こすことは稀である。
もし下戸で起こる場合は肥満した人か、或いは氣が少ない人である。
手足が萎え痺れて動かなくなるのは、朽ち木が生命力を持っていないのと同じ状態である。氣血が不足して力なく、萎え痺れるのである。
太って色白の人、酒を好む人はこの点を良く考え慎みを持つべきである。
鳳凰堂流解釈
脳卒中、脳梗塞等の原因や様子を書いてくれています。
地肌の色や体質は生まれ持ったものもありますが、本人の努力で変わる部分もあります。
弱くなるまでには、必ずやり過ぎか加齢による変化が関連してきますので、
やり過ぎればしっかりと養生し、養生を小まめに行う事で、良い状態を維持できれば加齢による衰えは減少します。
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