養生訓 巻第四 飲食下 鳳凰堂流解釈⑯
原文を現代文に改変
莱菔(だいこん)、菘、薯蕷、芋、慈姑(くわい)、胡蘿蔔(にんじん)、南瓜(ぼうぶら)、大葱白(ひともじのしらね)等の甘き菜は、大に切りて煮食すれば、つがえて氣をふさぎ腹痛す。薄く切べし。
或いは辛き物を加え、又物により酢を少し加えるもよし、再煮る事を右に記せり。
又この如くの物、一時に二三品食らうべからず。
又甘き菜の類、およそ仕えやすきもの続け食うべからず。生魚、肥肉、厚味の物続けて食うべからず。
鳳凰堂流意訳
大根、菘、薯蕷、芋、慈姑(くわい)、人参、南瓜、大葱白等の甘い野菜は、大きく切って煮て食べると、仕えて氣をふさぎ腹痛の原因となるので薄く切るべきである。
或いは辛い物を加え、又物によっては酢を少し加えても良い。
再度煮る事を前述した。
又このようなものは一回で二三品食べるものではない。
又甘い野菜の類や仕えやすいものは続けて食べるべきではない。
生魚、肥えた肉、濃い味の物も続けて食べるべきではない。
鳳凰堂流解釈
現代よりも繊細な食による影響の考察とお勧めの食べ方です。
生魚は身体を冷やし、
肥えた肉や濃い味のものは、体内で停滞して食滞の源となります。
少しの注意が後に生きてきますので、今はできなくても少しずつこのような意識を定着させる事ができると、老いてからも健康で生きやすくなります。