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老子道徳経と中医学的身体観③


安民第三と言う副題がついています。

賢いとか愚かと言う価値観。

物を欲する欲望。

それを実現する為の金。

これらを過剰に欲する事のないようにすれば、無駄な争い、心の不和は起こらない。


約4000年以上前の事は現在にも通じます。

ただし、これも陰陽。欲があるから人は希望を持って、生活を楽しむ心もあるので、バランスを取る為には起こった事象に感謝する事。

そして自身の本性は何をもって生きるのが生きがいとなるのかを観る事が1番大切だと思います。

と言う以前書いた内容から、中医的身体観に落とし込むと、

人の物理的、精神的圧力がぶつかり合うことで争いが起きます。

これを過剰にならないようにする為に、先ず脱力を行います。

但し、それぞれの正義がぶつかることは社会のなかではままあります。

そのような時に脱力していれば、一旦相手の圧力を受け入れる事ができます。

その上で、当たらないように自身の動き、主張を行う事で陰陽調和となります。

【原文】
不尚賢、使民不爭。不貴難得之貨、使民不爲盗。不見可欲、使民心不亂。是以聖人治、虚其心、實其腹、弱其志、強其骨。常使民無知無欲、使夫知者不敢爲也。爲無爲、則無不治。

【書き下し文】
賢(けん)を尚(たっ)とばざれば、民をして争わざらしむ。得難たきの貨を貴っとばざれば、民をして盗(とう)をなさざらしむ。欲っすべきを見しめさざれば、民の心をして乱みだれざらしむ。ここをもって聖人の治は、その心こころを虚(むな)しくし、その腹を実(みた)し、その志を弱くし、その骨を強くす。常に民をして無知無欲ならしめ、かの知者(ちしゃ)をしてあえてなさざらしむ。無為をなせば、すなわち治らざるなし。

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