養生訓 巻第八 養老 鳳凰堂流解釈㉓
原文を現代文に改変
年老いてはわが心の樂の外、萬端心にさしはらむべからず。時にしたがい、自ら樂しむべし。
自ら樂しむは世俗の樂に非ず。只心にもとよりある樂を樂しみ、胸中に一物一事のわずらいなく、天地四時山川の好景、草木の欣榮、是又樂しむべし。
鳳凰堂流意訳
年老いれば自身の心の楽以外、あらゆる心、感情でできるだけ入れないようにする事。
時の流れ、変化に従い、自身の心を楽しませる事が良い。
自身の心を楽しませるとは、世間一般の享楽を指しているのではない。ただ心に元々持っている楽を楽しみ、胸に少しの患いもなく、周囲の風景や時間の流れ、草木の伸びやかな成長などを楽しむのが良い。
鳳凰堂流解釈
享楽と心の楽との違いは、自身の心と身体をしばらく見つめた人にしか分かりづらいものだと思う。
鳳凰堂は、その人の生き方と身体ができる範囲に沿った楽が心の楽。
その時だけの本能や欲望に沿った楽が享楽と考えています。
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