見出し画像

(9)医心方 養生篇 用氣第四 鳳凰堂流解釈


取気法とは、鼻から中へ引き入れ、口に含んで吐き出す事。逆にしないように気をつける。逆にすれば人を傷つける。口から入れて鼻から出すのが逆である。

鳳凰堂流解釈
通常は鼻で吸って口で吐くので問題ありませんが、人によっては注意が必要です。

気を取るときは、仰臥して両手を真っ直ぐにして握固する。両脚を伸ばし、それぞれ身体から五寸離し、目を閉じて、口を閉じて、鼻中に気を引く。夜半から始めて八十一回、日の出には三十六回、食事の時に二十五回、午前10時頃に四十六回飲む。


初めて服気する際には、気が荒ければ調わない。できる量を測って、気を一度引いて一咽一吐、又は二咽一吐、又は三咽一吐するべきである。

もし気が少し調っているようであれば、三引して一咽一吐、又は二咽一吐、又は三咽一吐する。気が徐々に調えば五引して一咽一吐、又は二咽一吐、三咽一吐する。気が順調に流れれば、七引して一咽一吐、又は二咽一吐して、三咽一吐にまでもってくる。こうして気が調う状態を極めるのである。

鳳凰堂流解釈
咽は飲む事、吐はそのまま吐く事。1回の吸気(導引)で甘露(唾液)を作り、飲み下して濁気を吐く事を一引一咽一吐としてます。

又、服気や符水(呪文を唱える事)、断殺(何かを判断する事)する場合は、全て山居で静処し、心を安らかにして意を定めるべきである。

人と急に接触すべきではない。

急に人と接触して驚いたりすると心を失う場合が多いからである。

初めてこれ(導引、服気)を行って10日、20日までは疲れが極まり、痩せて、眩暈がし脚が弱る。

これを過ぎれば徐々に強くなっていく。もし薬物と合わせて行えば身体は弱まり強くはならない。

鳳凰堂流解釈
ここでは薬物と書いてますが、昔は毒性の草木を毒薬として服用し、自身の生命力でその毒を出す事が治療でした。

そして仙人の修行には外丹法と内丹法と言うものがあり、外丹法は鉱物(水銀等)を取り入れる事で超常的な力を得ようとするものでしたが、それによって多くの死者が出た為、廃れて内丹法だけが発展する事になります。

つまり、外からの力に頼るよりも自分が持つ最大限の力を研ぎ澄ますことが1番の健康維持、能力開発だと失敗を踏まえて教えてくれています。

現代で言えば、滋養強壮のドリンク剤や美味しいと言われる食物類も外丹の範疇となります。


妄りに喋ったり、笑ったり、挙動が多いようなことを慎むべきである。これは精を失い、気を費やし、一番やってはいけない大忌だからである。

鳳凰堂流解釈
普段発散できていないのに、上記のような節制を行うと体内に熱が籠もる為に、あくまでも熱、欲の発散が自然に従ってできている場合には慎む事の大切さが実感できますが、人それぞれで程度が違いますので少しずつ意識していく事が大切です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?