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養生訓 巻第八 灸 鳳凰堂流解釈⑪


原文を現代文に改変

今の世に、天樞、脾兪など一時に多く灸すれば、氣升りて痛み忍(こら)えがたきとて、一日に一二壮、毎日灸して百壮にいたる人あり。

又三里を毎日一壮づつ百日つづけて灸する人あり。是亦時氣をふせぎ、風を退け、上氣を下し、衄(はなぢ)をとめ、眼を明にし、胃氣をひらき、食をすすむ。尤益ありと云。

醫書においていまだ此法を見ず。されども試みて其効を得たる人多しと云う。

鳳凰堂流意訳

今の世の中で、天樞、脾兪など一時に多く灸すれば、氣が昇り、痛みが忍(こら)えがたいとして一日に一二壮、毎日灸して百壮にまでなる人がいる。

又足三里を毎日一壮づつ百日つづけて灸する人もいる。

またその時に流行する邪氣をふせぎ、風を退け、上った氣を下ろし、鼻血をとめ、眼を明らかにし、胃氣をひらき、食をすすめる。

最も益があると思う。

医学書にはまだこの方法が書かれているものを見たことがない。しかし試みてその効果を得た人が多いと言う。

鳳凰堂流解釈

鳳凰堂は医学書を完全なものとしては扱わず、基準を設ける為の参考書として位置づけています。

しかしながら、熟慮、検証していない、一般の人の流説は、そこに流行による思い込みや未来に対する考えがない事がある為、軽々に参考にするべきではないと考えています。

納得できるもの、体験して確認できるものであれば、その人はそれで良いですが、養生として勧めるには稚拙過ぎて賛同できかねます。

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