079_『ムーンライト』 / バリー・ジェンキンス
「マイノリティ」の定義は一義的ではなく、突き詰めていくと人は誰もが「マイノリティ」に属していると思っていて、当たり前のように過ぎる日常に身を置きながらも、その日常が「当たり前」であることに常々疑問を持ってしまうというか、「普通」とか「世間」とか「社会」といった、一見揺らぐことがないように見える物事がある瞬間には容易く霞んでしまうことを知っている。
多分、誰も、自分が「マジョリティ」に属していることに確信を持つことはできず、だからこそ、他人を相対的に評価しては、自分の立ち位置