在宅医療における処方箋の処理方法


こんにちは!訪問診療利確ドクターと申します!在宅医療のクリニックを経営しています。黒字です。ちょっと前まで赤字でした🟥。今は黒字です。大事なことなので2回言いました。今回、リクエストもあり処方箋の処理方法についてご説明致します。

通常の外来クリニックさんでは、処方箋はその場で印刷されて患者さんへ渡され、お好きな薬局へ持っていきお薬をもらえます。それでは在宅医療での処方箋はどのように処理されるでしょうか?

原則ですが、患者さんへ原本の手渡しが好ましいです。しかし、クリニックによってはあの手この手で工夫しています。以下の方法は、全て実際に私がやっているわけではなく「こんな方法があるみたいですよ」ということの紹介になります。そうです。予防線です。責任回避です😉。地域性もあると思いますので、真似して怒られても知りませんので悪しからず。

在宅医療では、医者が患者さんのお家へ行き診療をして、薬剤が必要となれば処方箋が発行されます。しかし、患者さんのお家にプリンターはありません。もともと服用が予想される定期処方などは、クリニックで印刷して渡すことができますが、臨時の薬剤はどのように処理すればいいのでしょうか。

まず、処方箋の処理は定期処方臨時処方の2つに分けて考えましょう。定期処方は簡単です。クリニックで印刷して持っていくだけですから。問題となるのは、常に臨時処方です。

1.手書き

①付け足しパターン

もともとクリニックで用意してきた定期処方箋に、ボールペンで書き足す方法です。二重線+印鑑が必要となるので、自身の苗字の印鑑をスタッフに渡す分を含めて用意しておくと便利です。

②新規発行パターン

こちらは実際の患者さんではなく、テスト患者さんの処方箋になります。そうです、プライバシーの配慮は完璧なんです。配慮のできる男はモテると聞きました。このように、カルテによっては通称「空の処方箋」(からのしょほうせん)を出すことができます。その患者さんの名前や保険情報だけが入っているもの、患者さんの名前も何も入っていないものを2つ用意して往診車などに仕込んでおくと、臨時処方が出た時にさっと書けます。準備のいい人はモテるのです。

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2.患家でプリントする

あ、臨時処方が必要だ!しかしそこは患家です。手書き処方箋だと、見にくいですし薬局から嫌がられる場合もあります。手書きで渡したものと、カルテ記載のものが異なると疑義照会となり面倒臭いパターンもあります。さて、患家でプリントする場合はどうしましょうか。

①でかいプリンターを持っていく

通常のプリンターを往診者に積んでおき、必要な時に使用します。Wi-Fi接続は不安定なことがあるので、Bluetooth接続か、パソコンから有線ケーブルでの接続がベターです。デメリットとしては、重いしかさばります。インク補充などメンテナンスは誰がするのでしょうか、手間ですね。そしてもちろんメーカーによるのでしょうが、故障しやすいです。

感熱紙を使用したモバイルプリンター

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PocketJetシリーズなら、インクが要りません。処方箋1枚の印刷時間は5秒程度です。非常に小型で、重量600g程度で難なく持ち運びできます。iPhoneから印刷できるので、iPhoneで電子カルテを操作→印刷までスムーズに行うことができます。このPocket Jetシリーズは、メーカーから公式サイトにて在宅医療での使用も想定されています。動画を見たい方はこちらからどうぞ

デメリットはプリンターが少し高い(5-7万円)、感熱紙での文字はインクと違い消えることがあるので、薬局によっては感熱紙を嫌がる場合がある程度です。スタッフが機器の操作が苦手とかもやや懸念点ですが、少し教えれば問題なくできるでしょう。モテる男は教え方も上手いのです。Bluetooth接続がベターなのは同様です。


薬局と連携する

臨時処方がでました、しかし患家で準備するのは大変だし、何を処方するかも迷ってその場ですぐには出せないな・・・。そんな時もあると思います。その場合は、薬局に処方箋のFAXを送ることで対応してくれる場合があります。

パターン1:訪問薬剤指導が入っていない

患者さんが日頃から使うかかりつけ薬局を聞いておき、FAXを送ることで対応する。原本は後日薬局に郵送する。薬局によっては塩対応で不可かもしれません。ツンデレですね。

パターン2:訪問薬剤指導が入っている

訪問薬剤指導とは、薬剤師さんが患家まで薬を届けてくれ、その服薬指導・患家にある薬剤の確認などをしてくれるサービスです。個人宅なら費用は1割負担で1回650円程度です。その場合は、クリニック→薬局へFAXを流し患家へ薬を届けてくれます。全ての薬局に麻薬などの特殊な薬があるわけではありませんので、在宅医療に強い薬局と連携するといいですね。在宅に慣れている薬局ならまずこの対応でokしてくれます。処方箋の原本は取り決めによりますが、処方ごとに郵送・月毎に郵送・定期的にクリニックに取りに来てもらうなどの方法があります。柔軟な対応がモテるコツですね。


〜処方箋の用紙サイズは?〜

おまけのコラムです。おまけというとお得な気分ですよね。以前まで「処方箋はA5サイズとする」というお達しがありましたが、現在では「A5を標準とする」=「A4でも可」となっています。クリニックでの書類は基本的にA4サイズのものが多いため、いちいち処方の時にA5に切り替えるのは無駄な作業であり、紙が2種類あるとこれは補充など面倒です。とある大学病院なんかでは、処方は全てA4に統一になっています。A4の処方箋だと、患者さんからは文字が大きくていいねと好評です。無駄な業務を少しでもカットする、豆知識でした🙆‍♂️


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