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訪問リハビリに携わる者たちへ捧げる

訪問リハビリは病院や施設もしくは訪問看護ステーションから利用者様のご自宅へ伺い、リハビリを提供する福祉サービスです。
在宅医療を推進している今~これからの時代に必要なサービスです。

訪問リハビリの職員は病院もしくは施設での臨床経験を3年以上は積んでから携わる場合がほとんどかと思います。
医療と介護で分野も異なり、何をしたらいいか不安になっているのではないでしょうか?私の経験したことを書き記したものを見てもらうことで、そうした不安を少しでも払拭できたら嬉しいなと思います。

訪問リハビリのやりがい

訪問リハには医療の分野とは異なる業務内容、地域との関わり、生活場面での支援などがあり、経験していく中で楽しさややりがいを感じること間違いなしです!

院内のリハビリと訪問リハビリの違い

訪問リハビリに携わっていると、入院中の患者様と一緒にリハビリしている時とも違う感覚があります。

病院や施設という非日常の環境
疾患を患った対象者さんと一緒に疾患に向き合いながら運動療法などを進め、ADLの自立度向上を図り、自宅復帰を目指す場所です。

病院や施設の体制にもよりますが、リハビリ室という病棟よりも更に非日常の環境でリハビリを行っています。
リハビリに力を入れている病院では、病棟でも協力しながら退院後の生活を意識したリハビリを行なっています。

また、医師、看護師、介護士、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、相談員などなど院内にいる様々な職種が対象者と一緒にチームとして関わっていきます。

訪問リハビリの舞台は利用者さんが生活している環境そのもの
利用者も要介護もしくは要支援の認定を受けている方となっているため、特別な疾患名がなくても紹介がきます。結構きます(笑)
運動習慣のない方、退院後の在宅生活に不安のある方、それぞれが抱える目標や問題を一緒に考えながら在宅生活を楽しく・楽に過ごせるように支援していきます。

利用者のお宅へ訪問するため、マンツーマンもしくは家族ぐるみになって関わる必要があります。
自分の家で行うリハビリは、利用者にとっては何よりも安心できる環境で実際の動作に即したリハビリを行うことができます

訪問事業所の医師、主治医、ケアマネージャー、他に利用しているサービス事業所のスタッフと連携しながら地域でサポートしていきます。

病院勤務だけでは見えていないものが見えてくる

病院や施設勤務だけではわからない事実があります。
それは、病院から退院したのち、利用者のほとんどが運動習慣がなく機能低下に陥りやすいこと。病院ではできてたはずのADLができなくなっているということが往々にしてあります。

病院では毎日のように時間になるとリハビリの人が来て、一緒にリハビリを行うという運動習慣をつけることができます。
また、病院という環境の中でADLもできるように支援してくれます。
退院前には住宅改修の指導をして、家での生活動作を確認してから退院の運びになります。

そこまで準備しても家に帰ると待ち受けているのは…

定期的に運動に誘いにくる人もおらず、段差があったりカーペットが敷いてあったりという病院とは異なる環境で、毎日過ごす必要があるということです。1日や2日ではないんです。

戸惑いや不安を抱えながら徐々に生活を再構築する。
そして、在宅生活を維持していけるかどうかの重要な段階で関わることができることが訪問リハビリの醍醐味だと思います。

訪問リハビリのやりがいとは?

ここで改めて訪問リハビリのやりがいを考えてみたときに、
・利用者の生活、ひいては人生に直接関わることができる
・利用者の驚くような行動・動作を目にすることがある
・こちらが利用者のことを一生懸命考えると、相手もそれに応えてくれる
・自分の知識や技術をフルに活用して利用者の生活を支えられる
・自分でスケジュール管理を行うため、自己効力感が高まる
・自分がどれだけ成果を上げているかが数値化できる

などなどたくさん挙げることができます。
この辺りは、ぜひ実際に訪問リハビリに出てもらって体感してもらいたいですね。

訪問リハビリに携わるうえでの心構え

訪問リハビリ以外の時間も意識しよう

訪問リハビリの時間は1週間のうちでたったの40分程度
利用者さんは生活の中で訪問リハビリが関わる以外の時間がほとんどです。

寝て過ごすのか?運動を定期的に行うのか?外出するのか?
ADLに支障はないのか?楽しみにしていることは何なのか?etc…
疾患的な部分だけではなく、むしろこうした生活に直結する部分を把握する必要があるということを忘れないでください

利用者さんのために考えることを止めないで

これでいいと思ってしまうと、それ以上の成長はありません。
どんなに能力を維持しようと思っても、
利用者とセラピストの関わりによって少しでも身体状況や生活の変化が実感できれば1番なのですが、それを感じてもらえない場合は何を提供すべきか考え続けてください。

利用者が安心して楽に生活できるように支援するのが、訪問リハビリとしての責任です。

良くするのも悪くするのも自分次第だと思って関わってください。

最後に

訪問リハビリに携わっている方、これから携わる方、興味を持っている方へ

訪問リハに限らずですが、
利用者さんから教えられることはたくさんあります。
利用者さんと一緒に笑って過ごせる時間は貴重です。
セラピスト優位のリハビリにならないよう気を付けつつ、謙虚な姿勢で取り組んでもらえたら嬉しいです。
そんな仲間が増えることを願って・・・

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